おもしろうてやがてトホホな旅路　　カメルーンへ　まるくんの旅は青空vol.５２

2006年06月04日

おもしろうてやがてトホホな旅路　　カメルーンへ　まるくんの旅は青空vol.５２

(10)

たまたま冷蔵庫、冷凍庫に眠っていたイイダコとドライトマト、
高知産フルーツトマトで合えて、
各種ハーヴでマリネした白魚を乗せる。
土曜日のお昼は、いつも新作・創造フレンチかイタリアン、
インディアン、コロニアル､アフリカン、ケージャン、フュージョン、エトセトラ・・・
料理で世界を旅してる
>「作り・食べる」・このリンクした「行為」、、、
これはようは「想像力」。
想像力とは「自分でないものへの思いやり」のことだ。
「自分でないものへの思いやり」とはいかに「他者の立場に近づけるか」だ。
アタマの悪いひとには、はなっからできっこない。

*********************************************************************

私たちは、いながらにしても旅している。
四季を旅している・・・・。
たとえば・・・・翻って、我が家の庭の３月では・・・・・
家の庭を旅してみよう

************************************************************************

まるくんの世界へようこそ

たとえば、アラブ首長国連邦　編―――

―――これをロマンスと言わずして・・・―――。

私はすっかりのぼせあがっていた。
アタシの胸のうちは、ときどき（ときどき？）カバが逆立ちするようだ・・・・。
しかし、ロマンスを担う一方の人は、まてどもまてども姿を現す気配がない。
「ウガッ――――――――――。オゲッゲッゲッ～～～～～。ウガァツ～～～～～」その間も、恐竜のエゲツない雄叫びは続くのであった・・・・・。

そして・・・なんと、タイミングのよいことに（もちろん、悪く。が正解）昼食の配膳が始まった。
そして、なんと、愛しの人は私の左翼窓側ではなく右翼側の通路の配膳係りであった。
私に手渡してくれたトレーを媒介にして、ほんの一瞬指が触れたスチュワーデスも、そんないレベルが悪いわけではないけど、いかんせん「彼女」と比べると霞んでしまう。
やれやれ・・・思うようにはいかないものだ・・・何事も。
で、昼食であるが・・・・。

まったく食指がのびなかった。
当たり前である。
普通の感覚をもちあわせ､普通にデリケートな人なら１０人に１０人が食事をする気力はないはずである。
トレーのパンやサラダくらいならまだしも、カスタードプリンの大きな容器がある・・・想像するだけでも・・・・オエッ――――だ。
何故か食事タイム中、オババ恐竜が静かであったのは不幸中の幸いであった。
結局私はパンを包んだナイロンの袋を破ることもなく、オレンジジュースの容器にストローをさすことすらなく、手つかずのままで再び「別の彼女」の手にトレーは渡った。
私の周辺にいた他の日本人観光客も皆同じだった。
すでに日本人ほか心ない（笑）乗客は前方か後部席へ移動していた。
「普通・・・食べられないよなぁ～～」
「ねぇ・・・お気の毒ではあるけど、あのすごい状況の後ではねぇ～・・・」

後ろで囁きあう声が漏れてきた。

「でも・・・・食べてましたよ・・・・・」

「へぇ～～勇気あるねぇ～～。誰が？」

「その、例のオバサン・・・・」

「ええええええええええっ～～～～！！！？？」

ええええええっえっえええええっ！！？？

食べてたって？？誰が？あのおばさん？・・・・・ノストラダムスの大予言も真っ青の戦慄が走る。
すぐそこに恐怖の大王が迫っている。

　中央席３つに横たわるオババ。

その横に窮屈そうに座っていた夫。

その回りをチョロチョロしていた小さな男の子がいた。
どうやら彼ら夫婦の子どものようだ。孫かもしれないけど・・・・。
４、５才だろうか、アラブ人独特のマツゲの長い黒い大きな瞳の持ち主。
彼はなんと、見知らぬ異邦人の来訪にちゃっかり後をつけてきて、私の座席の横に平気で座り込んだのである。
ひょんなことでご縁の少年は、アラビア半島を横断し、インド洋目前の経由地ハッジャまで私のお供を（私がお供？？）したのだ。彼のきゃしゃな腕や足から繰出すスカッドミサイルもくらいながら。
退治すべき鬼は君の母さんだよ！

　
アラブ首長国連邦にはいる。
ハッジャで「オゲゲッ――」の声はようやく消え去って、機内ははじめて静かになった。
オバアは担架で（４人がかりで！）運び去られて行った。
夫はその後ろに従い、私の横を通り過ぎるとき、私に一瞥もせず通り過ぎた。
ちょっと前まで、私の横にいたアバレハッチャクの腕を引っ張って。
ハッジャはアラビア海に面したアラブ首長国連邦にある空港だ。
まわりはイエメンと同じく砂漠、また砂漠。
アラブ首長国連邦は言わずと知れた石油産油国である。
あり余った金で資本や先端技術や労働力を導入しているのは想像するに容易だ。
あのオババはその最新の医療技術を求めて、飛行機の旅に耐えてきたのかもしれないと、窓からぼんやり連絡通路を眺めながら頭をよぎった。
そのとき、その連絡通路をピンクのスカーフをした見覚えのある横顔が通り過ぎて行った。

「！！！」

あの美人スチュワーデスだった・・・。

なんと彼女までもがハッジャまでのフライトだったのだ。

つづく

旅行写真満載ｗ

旅ブログ　まるくん最後のブログです
充実しております（笑ｗ

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう

最終更新日 2006年06月04日 07時41分15秒
コメント(10) | コメントを書く