おはようございます。遅くなっちゃいましたが。
暁のヨナ 23巻感想・姉編
真国編が怒涛の展開!23巻簡単感想です。
真国編・・・新キャラがまた大勢登場しまして、
人口密度がどえらいことになってきてます。
いろんなキャラが・・・まぁ好き勝手に持論を展開し合ってまして、
拾っていくと切りがありません。
なので、とりあえず個人的な注目点(主にハクヨナ)について。
★「いいな ハクと手合わせ」
アルギラさんとハクさんの手合わせを観たヨナちゃんの感想。
基本的に、ヨナちゃんは活動的で生き生きとしているハクさんの姿を見ると
大喜びします。
そして、その次の瞬間に、すぐ寂しくなって、
自分のことをかまって欲しくなっちゃうんだろうなぁ・・・。
★「ハクにゃん 高華国で何番目に強い?」
アルギラさんの素朴な質問。
かなり重要なポイントだと思っています。
★「じゃあ・・・ヨナ」「すっごい破壊力」
突っ込みどころしかないですね。
ヨナちゃん・・・あなた5巻の時点で、
自分で「ハクだけは『姫』って呼んで」とか気取ったこと言ってたじゃんか。
なんだよハクさんの「ヨナ呼び」、大喜びじゃん・・・
いや、気持ちは分かるけど。
★コウレン姫
真国第一王位継承者・コウレン姫が登場。
すごく分かりやすく、ヨナちゃんの憧れる「カッコイイ女性」像です。
また、前作・NGライフのアグライヤ様とも似ており、
草凪先生の描く「カッコイイ女性」像を素で行くお方な感じですね。
ここまで観てきて分かるように、
真国の登場人物たちは全員、読者目線で「絶対に嫌えないよう」に描かれています。
草凪先生の作品に関しては、この描写のニュアンスは絶対に信頼できます。
真国のキャラクターたちは、この作品を読み進める上で、
好きになっていい立ち位置の国なのだと思っています。
★「険しい方へ険しい方へ その足は向く
どうしてたった一人で行かせる事が出来ようか」
「行きますよどこへでも」
「たとえその向こうに 誰がいようとも」
戦を止める為、スウォンさんに会いに行く決意をしたヨナちゃん。
そのヨナちゃんを観てのハクさんのモノローグなんですが・・・
まぁ、また回りくどい言葉選んでくれるじゃねーか。
ハクさん・・・コイツずるいんですよ。
「自分が、スウォンさんと向き合いたくなった」って言えよ。
「らしくないやり方で隣国を動揺させる、スウォンさんの真意を知りたい」って。
そもそも、スウォンさんのこと
「姫さんを裏切った」ってずーっと言ってますけど、
なんでこう言わないんですか。
「自分を裏切った」って。
ヨナちゃんはなぁ・・・ハクさんの「こういうところ」が分かった上で、
無理矢理気を張って、率先して「険しい方へ」乗り込んで行ってるんだぞ。
ハクさんを連れて行くためなんだぞ。
★ユホンさん、過去話
スウォンさんの父親・ユホン皇子について、真国目線の新たな証言がありました。
未だその人物像がはっきりしないお方ですが、
真国には、「残虐非道な行いをしていた」事実があるようですね。
・・・ただ、ユホンさん
どうせお前だって、結局読者を泣かせにかかってくるんだろ?
いーよ、悪者ぶらなくても。分かってるよ。
★四龍&ユンくん&ぷっきゅー、捕まる。
そこまでしないと、ハクさん動かなかった・・・!!?
ハクヨナのふたりは、スウォンさんに会いに行く決意を、この前には固めていたんですが、
更に早急に動かなければならない、二重奏の「動機」として、
「仲間の命」が設定されました。
まぁ、この展開の一番の目的は、もちろんハクさんの炙り出しだと思います。
もしこのまま「ヨナちゃん+四龍」で緋龍城に向かおうものなら、
「緋龍+四龍の建国神話、再び!(+ぷっきゅーとユンくんと自分)」を
ハクさんは全力で演出して、自分は日陰に身を潜めようとしますからね。
絶対。
本当に・・・めんどくさい・・・。
★「今あいつらを助け出す以上に大事なことなんて 俺にはねぇよ」
もちろん、ハクさんの本心だと思いますよ。
・・・えぇ。
嘘だなんて思っていません。
ただ、
「緋龍城に向かうのに、すごく分かりやすい言い訳が出来て良かったね★」
ともちょっとだけ思いました。
★「全てが敵になっても 俺は 闘う」
シンアくん・・・!
そろそろこの子も立ててあげて欲しいなぁ・・・と思って観てます。
四龍が、苦しい思いもたくさんしながら血を繋いできた、
その集大成というか、その答え・意義というものを、
このシンアくんというキャラクターの変化・成長に見出していけるんじゃないかな、
と思っているので。
最近、やたらと余剰スペースでハクさんと絡ませてますね。
今回の展開でも、もしかしたらシンアくんだけは
ハクヨナと一緒に緋龍城に向かう展開もありかな・・・と少し考えましたが、
うん・・・ちょっとそれは叶いませんでした。
(存在感的な意味で)開花の日は近い(といいなぁ)、シンアくん・・・!
頑張れ・・・!
★ヨナちゃん、過呼吸
斉国に攫われて以降、ヨナちゃんがちょっと体調崩しがちだなー、と思ってます。
ちょーっと無理がたたって来ちゃってるかなー、と。
まぁ、これもハクさんへの圧力なんでしょうね。
そろそろ姫に隠れるのもいい加減にしろよ、と。
ヨナちゃん疲れて来ちゃってるんだよ、という。
★ハクヨナ in天幕
22巻から今巻にかけて、ヨナちゃんがハクさんに対してずっと、
こんな↓光線を出してました。
「21巻のラストのあれ、ワンス モア プリーズ。」
ハクヨナはですね・・・なんて言うのかな。
本当に、お互いしか居ない状況になってしまって。
自分のアイデンティティ・・・「自分とは何なのか」を、
お互いを通してしか実感できないんだな、と思います。
やたらと「ぎゅー」を繰り返すのも、
あれは生きがいであるお互いの存在を触覚で確かめるのと同時に、
相手の表情の変化に映る「自分の存在」というものを
確認してるんだろうな、と思います。
だから、ハクヨナのいちゃいちゃってああなるんだろうなぁ、と。
「自分の維持」にお互いが絶対必要・・・だからこそ、
粘着テープの粘着面と粘着面を引っ付けた、みたいな感じというか。
あとはもう、単純に充電ですよね。
特にハクさんは、不安になった後と、
この先に頑張らなきゃいけない事象があるときは、
絶対にヨナちゃんに手出しますから。
まぁ・・・ハクさんは分かってるんです。
いよいよ自分が出ていかなきゃいけない状況だって。
ヨナちゃんも当然分かってます。
だから自分が倒れてるのに、
あんな弱ったピラニア・・・天使みたいなカワイイこと言って
ハクさんを誘って・・・励ましてるんだと思います。
★オギさん!
狡猾さと情の深さの両方を併せ持つ、
魅力的な闇のおっさん・オギさん、再登場。
11巻の「若葉風」では、若干9歳のハクさんに威圧されてましたが、
・・・やはり体格のでかくなったハクさんは相当怖いようです。
<番外編1・ゆく年 くる年>
2年前の年越しの様子が描かれます。
季節感たっぷりな腹減り面々のサービスショットもありつつ、
宮廷時代ヨナちゃん像の洗い替えもやりつつ、
本題は、「ハクさん像」というものを浮き彫りにするような話だったな、
と思います。
この番外編で個人的に印象的だったのは、ここ↓。
「ハクさんって、ちゃんとヨナちゃんのこと好きだったんだな」
いや、ヨナちゃんのこと、もちろん大好きなんだとは思ってましたが、
ハクさんって、言っちゃうと「誰でも、目の前に居る人が大好き」なので。
この気質は、孤児だったという生い立ちが影響しているのだと思うのですが、
基本的に「出会いの全てに感謝」という姿勢というか。
だからこそ、「基本的に感謝」だからこそ、
自分が割喰うことで誰かが喜んだり、丸く収まるなら、
全部貢げちゃうというか。
なので・・・ヨナちゃんのことも、
目の前に居た、大事にするべきお姫さまだったから、好きなんだろ?
カワイイし。
ヨナちゃんのこと好きな方が、王家に尽くす抵抗もなくなるし、
自分の心持ち的にも都合がいいと思ったんだろ?
それだけだろ?
・・・と思ってました。
今回の番外編で、
あぁ、ちゃんと宮廷時代のヨナちゃんを観てて、
ちゃんと好きだったんだな、って確認できました。
ごめんよハクさん、全く信用してなくて。
<番外編2・お大事に>
先の番外編がハクさんを浮き彫りにさせているとすれば、
こちらはとにかくヨナちゃんの激情を明文化したい一編でした。
ヨナちゃん・・・この娘は、正直、本当に分かられてない。読者に。
それに関して、草凪先生が若干焦ってるのかな・・・と感じてます。
今後の展開上、ヨナちゃんにはきちんと付いてきてて欲しいというか。
ただ・・・ヨナちゃんが分かられない理由は、
やっぱりハクさんが分かられてないから・・・なんだと思うんですよ。
ヨナちゃんは時々かなり突拍子もないこと言い出しますし、
表情・態度がころっころ変わります。
ヨナちゃんだけを観てたら、「この娘、ちょっと不思議ちゃん」ってなるんですが、
私は、とにかくヨナちゃんは「ハクさんを見過ぎてる」だけだと思っています。
ハクさんの微妙な、本人も全然無意識下な心情の変化を拾って、
ヨナちゃんが過剰反応してるだけです。
ハクさんは・・・自分がどういう状態なのか、絶対に自分では言わないんで。
というか、まず自分のことが全く理解できてないんで。
読者的には、ヨナちゃんの突然の過剰反応を観て、
「えっ?何っ?今はハクさんこれどういう状態なの??」って、
頑張って解読する・・・しかないかな。
私は↑こういう順番で、暁のヨナを読んでます。
えっと・・・まぁ、そんな感じで、
この娘は「『ハク命』にも程がありすぎる娘なんですよ」と、
こんな狂気なまでのテンションなんですよ、と、
それを四龍のどさくさに紛れて超絶アピールしたい番外編だと解釈してます。
ゼノさんがはっきりと明言してますからね。
「娘さんは風の部族を出る時、兄ちゃんと別れるのが嫌で
『私にハクをちょうだい』って掴みかかったから」って。
それにしても・・・
たった16ページ&14ページとは思えない、なんたる情報量・・・。
草凪先生が、「漫画」というものを突き破り始めていると感じる、
そんな短編2編だったな、と思います。
結局ハクヨナの感想しか書けてないですね・・・。
他のキャラクターたちにも、思うところいっぱいあるんですが、
ハクヨナが濃すぎて、手一杯になっちゃいます。
by姉