2010/12/25(土)20:05
「オババの森の木登り探偵」平野肇著 感想
●読んだ本●
「オババの森の木登り探偵」平野肇著
小学館
オババの森の木登り探偵価格:1,680円(税込、送料別)
■あらすじ■
鎌を持ったオババと悪ガキたちとの
飽くことなき逃走劇。
あれから20数年……
都会に奇跡的に残る「オババの森」は、
彼らの思い出が詰まった
タイムカプセルになっていた。
主人公・中里翔平も
かつてこの森で遊んだ悪ガキのひとり。
いまは森の管理人として
ツリーハウス(樹上の小屋)で寝起きしている。
小学生の女の子を相棒に、
近所の珍事件を解決する探偵でもある。
そんなある日、
オババの森を蹂躙する重機の音が響いた!
睡蓮鉢の小宇宙を観察する少女、
夜は銀座のクラブで働く女性ナチュラリスト、
クチボソを釣る謎の老人、
森とともに生きてきたオババ……
個性的な登場人物たちが織りなす
野外探偵ミステリー小説。
ケータイ配信で大人気。
野外ミステリー小説
■感想■
息子が図書館で借りて読んだ本を
珍しくも「お母さんが好みだと思う」
と言って読むように勧めた本。
不動産屋を継いだ幼馴染から
目黒に奇跡的に残っている
オババの森の管理人を頼まれた中里は、
脱サラして
管理人だけでは食べていけないため
探偵(ご近所の探し物や何でも屋が主)
を兼業しているのだが、
入院生活が長いオババの家は
半壊状態のために
ツリーハウスを作って
そこで寝起きしている。
もうその条件だけで
私の好みだった(((((^m^
次々に起きる小さな事件が
次第に大きな問題へと流れて行くのだが、
とても読み易くて楽しかった。
東京の目黒に森が残っていたら
こんな問題が起きるだろうなと、
綺麗事だけで済まさない所も
現実的で理解しやすかった。
そして森と自然の大切さを認識してもらうのにも
解り易くて、
年代を問わず読める良い小説だと思った。
最後が尻切れトンボに思えたのだが、
息子は「それがいい」と言う。
私はつくづく起承転結が
はっきりしているのが好きなのだと思った。
この感想を書くために調べて
ケータイ配信小説と知り驚いた。
大人の小説家が書いたケータイ小説は
初めて読んだのだが、
設定や状況をしっかり書いてあって
リアルに描き易かった。