ふゆゆん亭

2010/12/25(土)20:05

「オババの森の木登り探偵」平野肇著 感想

本(204)

●読んだ本● 「オババの森の木登り探偵」平野肇著  小学館  オババの森の木登り探偵価格:1,680円(税込、送料別) ■あらすじ■ 鎌を持ったオババと悪ガキたちとの 飽くことなき逃走劇。 あれから20数年…… 都会に奇跡的に残る「オババの森」は、 彼らの思い出が詰まった タイムカプセルになっていた。  主人公・中里翔平も かつてこの森で遊んだ悪ガキのひとり。 いまは森の管理人として ツリーハウス(樹上の小屋)で寝起きしている。 小学生の女の子を相棒に、 近所の珍事件を解決する探偵でもある。 そんなある日、 オババの森を蹂躙する重機の音が響いた!   睡蓮鉢の小宇宙を観察する少女、 夜は銀座のクラブで働く女性ナチュラリスト、 クチボソを釣る謎の老人、 森とともに生きてきたオババ…… 個性的な登場人物たちが織りなす 野外探偵ミステリー小説。 ケータイ配信で大人気。 野外ミステリー小説 ■感想■ 息子が図書館で借りて読んだ本を 珍しくも「お母さんが好みだと思う」 と言って読むように勧めた本。 不動産屋を継いだ幼馴染から 目黒に奇跡的に残っている オババの森の管理人を頼まれた中里は、 脱サラして 管理人だけでは食べていけないため 探偵(ご近所の探し物や何でも屋が主) を兼業しているのだが、 入院生活が長いオババの家は 半壊状態のために ツリーハウスを作って そこで寝起きしている。 もうその条件だけで 私の好みだった(((((^m^ 次々に起きる小さな事件が 次第に大きな問題へと流れて行くのだが、 とても読み易くて楽しかった。 東京の目黒に森が残っていたら こんな問題が起きるだろうなと、 綺麗事だけで済まさない所も 現実的で理解しやすかった。 そして森と自然の大切さを認識してもらうのにも 解り易くて、 年代を問わず読める良い小説だと思った。 最後が尻切れトンボに思えたのだが、 息子は「それがいい」と言う。 私はつくづく起承転結が はっきりしているのが好きなのだと思った。 この感想を書くために調べて ケータイ配信小説と知り驚いた。 大人の小説家が書いたケータイ小説は 初めて読んだのだが、 設定や状況をしっかり書いてあって リアルに描き易かった。

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