2024/09/16(月)12:30
『自由研究に向かない殺人』ホリー・ジャクソン著 感想
『自由研究には向かない殺人』ホリー・ジャクソン著
服部京子=訳 創元推理文庫
2021年8月27日初版 同年11月5日4版
■出版社内容情報
イギリスの小さな町に住むピップは、
大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)”
に取り組んでいた。
題材は5年前の少女失踪事件。
交際相手の少年が遺体で発見され、
警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。
少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、
自由研究を隠れ蓑に真相を探る。
調査と推理で次々に判明する新事実、
二転三転する展開、そして驚きの結末。
ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、
イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリ!
■著者等紹介
ジャクソン・ホリー[Jackson Holly]
イギリス、バッキンガムシャー出身の作家。
子どものころから物語を書きはじめ、
15歳で最初の小説を完成させた。
ノッティンガム大学で言語学と文芸創作を学び、
英語の文学修士号を取得。
2019年に刊行したデビュー作の『自由研究には向かない殺人』は
英米でベストセラーとなり、
2020年のブリティッシュ・ブックアワードの
チルドレンズ・ブック・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、
カーネギー賞の候補作となった。
現在はロンドンに住む
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
【中古】自由研究には向かない殺人 /東京創元社/ホリー・ジャクソン(文庫)
自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫) [ ホリー・ジャクソン ]
■感想
寝込んでばかりのこの冬~春で、
やっと出掛けた先の本屋で見つけて買った本。
集中力がなくて時間を掛けて読んだ。
題名と表紙の緑がかった蒼い空と
静かな住宅街に太陽が反射している眩しさに
惹かれて買った。
主人公の高校3年生のピップは、ピッパと名乗り、
イギリス名前としてはとても珍しいと思いつつ
この名前の軽妙さと明るさのイメージのままの少女でした。
恐ろしい事があってもポジティブなのか若さゆえなのか
軽いノリで乗り越えて行くんだけど、
こちらは年長者ゆえに終始ハラハラして心配だった。
イギリスのポジティブ少女は初めてだった。
ただし、コツコツコツコツ証言を集め続け、
少しずつ少しずつ糸をほどいて行く工程が
ポジティブだけではなく、
核心の確信が硬いラップに出てくる文言みたいな
芯の通った少女だった。
賢くて利発で明敏なのに、迷うより行動。
どこでどう繋がるのかはっきりする前に
色んな事が少しずつ繋がって来て、
最後はまあどんでん返しのどんでん返しだった。
コツコツ型が好きなので面白かったけれど
ピッパの正義感が揺るがないのに、
大事な人を守るために口を閉ざすとか、
何かしら矛盾はあるので読後感は少し複雑だった。
終始明るい口調で描かれているから
アメリカのアダルトミステリ的な感じがして、
イギリスのミステリなのに読後の深みが感じられなくて
少しだけ残念だった。
初出版としてはとても面白かったと思う。
ー2024年4月中頃読了ー
(本当に頭が回ってない感想だなー)