千魔万来

魚座・牡羊座・牡牛座

魚座◇Pisces
●秋の星座
●21時に正中する時期 11月中旬
●現在、春分点がある星座

 ある日の事、あまりにも良い天気なので神々はオリンポス山にある宮殿から出て、ナイル川の辺で宴会を開きました。
太陽と音楽の神アポロンが竪琴を奏で、音楽の女神達ミューズが踊りを舞い、宴会は大いに盛り上がりました。
すると突然生暖かい風が吹き始め、物凄い唸り声が聞こえてきました。
怪物テュフォンが姿を現したのです。
 テュフォンはゼウスの祖母に当たる、大地の女神ガイアが生み出した最強の怪物でした。
ガイアは、ゼウスにかわいい息子達を沢山殺された為に怒り、ゼウスに復讐する事を目的にテュフォンを生み出したのです。
テュフォンは天まで届く程の身の丈が有り、巨大な翼は太陽の光を覆い隠し、足が大蛇で、
その逞しい肩からは百匹の蛇と醜い顔の頭が生え、鋭い目からは火を吹きその口からは燃え上がる岩を吐いていました。
叫び声は天地を震わせ、吐く息は我慢出来ないほど嫌な臭いがしていました。
 そのあまりにも不気味で恐ろしい姿に神々は先を争って逃げ出しました。
大神ゼウスは鳥となって大空に舞い上がり、ヘーラは雌牛となって逃げ出しました。
アポロンは烏に、ディオニュッソスは山羊、アルテミスは猫、アレースは猪に変身しました。
愛と美の女神アフロディーテとその息子エロスは魚に変身、川に飛び込んで逃げましたが、
その時はぐれるといけないというので、しっかりと体をリボンで結んでいました。
後でその姿を思い出して面白がったゼウスがその姿を星座にして空に上げました。
それが、魚座なのだそうです。



牡羊座◇Aries
●秋の星座
●21時に正中する時期 12月上旬
●星占いが生まれたバビロニア時代、春分点のあった星座

 テッサリアの王国アタマースは、妃ネフェレーとの間に二人の子供が居ながら、テーベの女王イーノーに恋をし、
ネフェレーを追い出してイーノーを妃に迎えました。
彼女は最初ネフェレーの子供達を可愛がりますが、
やがて自分の子供が出来ると前のお妃の子供達が邪魔になり、殺そうと計画を練り上げました。
 麦畑に種をまく前夜、イーノーは全ての種を火で炙ってしまったのです。
当然、麦は一つも芽を出しませんでした。
「悪い事の前兆に違いない」
 何も知らない国王は占い師に占わさせました。
しかしその占い師はとっくにイーノーに買収されていたのです。
占い師は告げました。
「神々が怒っている。前のお妃の子供達をゼウスの生贄に捧げよ」
 国王は迷いましたが、既にイーノーはそのお告げを国民に広めていました。
国民達は王様に詰め寄りとうとう国王は二人の子供達を生贄に捧げなくてはならなくなってしまいました。
 それを知ったネフェレーは、大神ゼウスに一心に祈りました。
「どうぞ、私の子供達をお救い下さい」
 哀れに思ったゼウスは、彼女の願いを聞き入れてくれました。
二人の兄妹が祭壇上に引き出され神官が今にも王子プリクソスを殺そうとした時、黄金の羊が空を飛んで現れ、
二人を背に乗せると驚く人々を残して空の彼方へと消えて行きました。
 羊は風の様に空を駆けて行きました。
あまりのスピードに妹のヘレは途中目がくらんで海に落ちて死んでしまいましたが、
プリクソスは無事にコルキスの国に辿り着いて、国王の娘と結婚して幸せな一生を送りました。
プリクソスはゼウスへの感謝を込めて羊を生贄に捧げ羊はこの手柄で星座に加えられ、牡羊座になったと言います。
そして、金の羊の毛皮はコルキス王に献上されました。



牡牛座◇Taurus
●冬の代表的な星座
●21時に正中する時期 1月中旬
●プレヤデス星団、ヒヤデス星団、かに星雲をもつ星座

 フェニキアの王女エウロパはとても美しく、その姿を一目見た神々の王ゼウスは彼女に恋をしてしまいました。
 春のある日エウロパは侍女達と野原へ出かけました。
そこには様々な花が咲き乱れ、甘い香りが漂っていました。
花を摘んで冠を作ったり首飾りを作ったり花の中で戯れました。
 その様子を見ていたゼウスは一頭の雪のように純白な牡牛に姿を変えて野原に現れました。
何時の間にか近くに牛が居る事に気付いたエウロパ達は最初は驚きましたが、
見れば牛はとても美しく目は優しそうに潤んでおりおとなしそうです。
エウロパはそっと牛を撫でてみました。
牛は気持ちよさそうに撫でられています。
それを見た侍女達も牛を撫でてみました。
やはり牛は嬉しそうです。
すっかり安心した乙女達は牛に花の首飾りをつけたり、頭に花冠を乗せたりして遊び始めました。
 美しく飾られた牛に興味を覚えたエウロパはそっと乗ってみました。
「王女様、危ないですわ」
侍女達は心配しましたが、牛は嬉しそうにエウロパを乗せたまま野原の中をゆっくりと歩いて行きました。
そして海辺に着いた途端、牛は突然物凄い勢いで海の中へ駆け込んで行きました。
「きゃー、助けて!」
 降りようにも既に海の深い所まで入ってしまい、エウロパは降りる事が出来ません。
悲鳴を上げながら牛にしっかりつかまっているしかありませんでした。
海岸線を泣き叫ぶ侍女達の姿がみるみる小さくなって行きました。
 エウロパを乗せた牛の周りには、何時の間にか海のニンフ達が集まり舞いながらついて来ます。
イルカや様々な海の生き物が、まるで挨拶をするかの様に次々に海から姿を現しました。
エウロパは牛が神様の変身であるに違いないと悟りました。
「貴方は、一体誰?」
 エウロパが問い掛けると牛は澄んだ声で応えました。
「私は神々の王ゼウスだ。恐れる事は無い。愛ゆえに、こんな姿でお前を迎えに来たのだ」
 ゼウスはクレタ島へエウロパを連れて行きました。
ここはゼウスが生まれたところです。
ここで二人は結婚したのです。
 ゼウスは新しい土地に新妻の名前を付け、エウロパ(ヨーロッパ)と呼びました。
そして自分が変身した牡牛の姿を、牡牛座として夜空に上げたのだといいます。


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