最高神アフラ・マズダー

最高神アフラ・マズダー

 アフラ・マズダーは、ゾロアスター教の最高神です。
善の王国の主で、一切を知りうる至高神とされます。
アフラとは神的存在を意味し、この場合は特に「主」の意味があり、マズダーとは「智(者)」の意味です。
つまり、アフラ・マズダーとは、智慧王という意味なのです。
 どんな知かというと、「善・悪の行為とその結果」についてです。

 ゾロアスター教の信徒は、火を拝し、善き心を持ち、正義に則ってアフラ・マズダーに近づこうと望み、
善意・善語・善行の三徳により、彼の王国に至ろうとするのです。
ゾロアスターはこの神格を、他の全ての神的存在に超絶する至上の存在として、自らの信仰の対象としたのです。
 アフラ・マズダーは最も善き者であり、強き者、聖なる者、知恵に優れた者であると言われ、
万物の創造者として、心霊と具象の両世界に君臨します。
特に全存在中で最も偉大なる者を善・悪の審判者として考え、
善き者には悦びがありますが、悪しき者には苦しみがあると定めた者であるとしています。
 つまり、アフラ・マズダーは人々が為した行いを知り、その善・悪行を心に留め、裁きの宣告をする者なのです。
善き者は天国で完璧・不死に至り、悪しき者は暗黒(地獄)での悲嘆あるのみとするのです。

 ゾロアスター教の根本経典アヴェスタによると、アフラ・マズダーにこの神の性格に由来する多数の言いまわしをしています。
一説には、98種にも及ぶとも言われています。
 ヤスナの書の冒頭では、創造者、富者、輝ける者、最大なる者、最善なる者、最美なる者、
最も堅固なる者、最も賢き者、正義により意図を実現する者、善き意図の者、広く遠方まで至る者と称し、
我々の創造者にして形成者、養育者なりと述べられています。

「オフルマズド・ヤシュト」では、神名を20の別名で書かれています。
(1)問わるれるべき者
(2)畜群の賦与者
(3)強力なる者
(4)最善にして正義なる者
(5)完善者にして知恵より天測を子孫とせる者
(6)知恵
(7)賢者
(8)知識
(9)知者
(10)神聖
(11)聖なる者
(12)アフラ
(13)最強者
(14)抗すべからざる者
(15)克つべかざる者
(16)応報者
(17)総覧者
(18)治療者
(19)創造者
(20)マズダー


ゾロアスター教  アフラ・マズダー  大天使と天使  ヤザタ  大魔王と悪魔  悪魔の軍団  聖火と真言


© Rakuten Group, Inc.