千魔万来

悪魔の軍団

悪魔の軍団

 悪魔の主であるアンラ・マンユは多数の配下を持っています。
彼らは軍団を形成し、善の王国に侵入します。
この悪魔の軍団とアフラ・マズダー率いる善神の軍団とが、我々の住む世界を戦場として戦うのです。
アフラ(アスラ)が善神の軍団のことで、ダエーワ(デーヴァ)が悪魔の軍団の事です。
インドでは、デーヴァ天(神)で、アスラ(阿修羅)が悪と全く正反対になっています。


アカ・マナフ(悪思)
 ダエーワの軍団の中にあって、アンラ・マンユに次ぐ地位を持ちます。
アンラ・マンユによって、ドゥルジの次に創られました。
 アカ・マナフに支配された人間は善・悪を分かつ正しき基準が不明となり、
その選択は誤りとなってしまうといいます。
 アカ・マナフは、善・悪の両マンユが光輪(クワルナフ)を求めて争った際、
アエーシュマ、ダハーカ竜、イマの殺戮者スピトユラと共にアンラ・マンユの為に働いたとされます。


ドゥルジ(虚偽)
 ドゥルジをアシャ(正義、真実)に対立するものとした。
善なる人をアシャワン(義者)と称し、悪しき人をドゥルジにちなんでドラグワント(不義者)と呼びます。
 アンラ・マンユ自身、ドラグワントです。
ドラグワントは悪意を心に抱き、それを行って教えに反抗するのです。
これに対して、ゾロアスターは彼らに容赦ない戦闘を挑み、その地獄行きの運命を宣告するのです。
 「ドゥルジの家」とは、地獄を指します。
ドゥルジは、一群の女魔を指すものと理解されるようになり、「不浄」の概念も直結して大きく変化しました。
屍は不浄なもの、最も忌み嫌うものです。
それゆえ、火葬や土葬は禁じ、特に鳥葬をもってします。
 この女魔は、アルズーラ山峡にある地獄の洞穴から蠅の姿で飛び来たり、
伝染病をまき散らし、死に至らしめるのは彼女の仕業です。


インドラ(帝釈天)
 ヴェーダでは、最も人気のある神格ですが、ゾロアスター教のアヴェスタでは、悪魔としてのけられます。
教徒がガーサーの祈祷句を三度唱した後に付け加える、
諸魔退散の呪文の筆頭におかれるのが、インドラ放逐の誓願です。
 ドゥルジの代わりとして、インドラが考えられていました。
伝説では、ゾロアスター教徒の象徴であるスドラ(聖なる紐)と
クスティー(聖なる衣服)を捨てさせようとして誘惑するのがインドラです。


タローマティ(背教)
 「背教」と訳されるこの魔物は、対立者アールマティが女神であるのに釣り合って、女魔とされます。
心中に住む彼女は人がアールマティの命に従おうとするのを妨害するが、
終末にはこの女神に征服されてしまいます。
タローマティが最も恐れるのは、アルヤー・イシュヨーと称される呪です。
この呪が唱えられるやいなや、この魔女は直ちに退散すると言われています。


ノーンハスヤ(背教)
彼はヴェーダ神話ではアシュヴィン双神とも称されるナーサティアです。
この魔物は、タローマティに代わって、アールマティに対抗する魔とされます。


サルワ(無秩序)
 この魔物はクシャスラに対抗します。
アフラ・マズダーの統治に反抗し、善なる王国の秩序を破壊しようと試み、無秩序を自らの性格とします。
地上に無政府状態を作るのが彼の仕事です。


タルウィ(熱)、ザリチュ(渇)
 ハルワタートとアムルタートに対抗するのが、タルウィ(熱)、ザリチュ(渇)です。
この両魔は植物の敵で、毒草の存在は彼らの仕業とされています。
人々が裸足で歩くのを喜ぶとされ、その人たちが死後地獄で苦しむ様子が文献に残っています。


アエーシュマ(狂暴)
 「狂暴」を司るアエーシュマは、スラオシャの敵です。
彼は人間に役立つ動物を苦しめるのです。
ゾロアスター教でハオマ酒以外の酒を禁じるのは、
酩酊することにより粗暴な行為をしてアエーシュマの力を増徴させたからです。
アヴェスタでは、アエーシュマを描写して特に血に塗られた武器を持つ者とします。
ミスラとスラオシャと共に、この魔の最も恐ろしい敵です。
またこの悪魔が支配権を握ったならば、暴君ザッハーク(アヴェスタのダハーカ竜)
やアルジャースプ(アルジャトアスパ)よりもなお虐政が行われると言われています。


アジ・ダハーカ
 最強の邪悪な者とされるアジ(竜)・ダハーカは、
アンラ・マンユがアフラ・マズダーの被造物を破壊しようとして創造した魔物です。
三口、三頭、六眼にして千の力ある技を所有するこの怪物は、
英雄スラエータオナと戦い敗れたとされます。


アストー・ウィーザトゥ
 死は全ての人にやってくる避けられないものです。
それゆえ、人々に死をもたらすこの魔は、
アンラ・マンユの創りだした諸魔の中でも比類なき強力なものと考えられました。
彼は人の地位や職業に臆することなく、全ての人々を自己の餌食にするのです。
教徒の義務は、この死魔の手にかかる人数以上に子を産み、育てることです。
苦行は生命を弱めるため、魔物に協力する行為としてのけられます。


ウィーザルシャ
 悪人の魂を地獄に引きずり込むのが、この魔の仕事です。


アパオシャ
 干ばつを司るアパオシャは、ティシュトリヤの敵です。
干ばつと水害もこの悪魔の仕業とされます。


ブーシュヤンスター
 腕長き姿の女魔とされます。
人に眠気を催させ、怠惰な性格にさせる者です。
彼女は日の出とともに人々に駆け寄り、未だ目覚める時でないとささやき、人々を再び眠りに落とします。
それゆえ教徒はぐすぐすせずに床より起き、自己の務めを果たさねばならないのです。
早起きの者は天国に赴く者です。


パリカー
 アヴェスタによると、パリカーという一群の女魔がいます。
彼女達は女呪師とも淫売とも解されます。
神話的には、流星として大地に落下する者です。
「凶年」の意味のドゥズヤールヤー、クルサースパを誘惑したクナンサティー、
及びムーシュは、三大パカリーとして恐れられました。
この女魔と戦うためには、アフラ・ワルヤ呪やアルヤーマー・イシュヨー呪が効果的です。


ジャヒー
 悪者の婦人を意味したジャヒーは、アヴェスタではまた淫売ともされます。
後にこの女魔はジェーと称され、アフレマン(アンラ・マンユ)の被造物の中で最強のものとされるようになりました。
女性の月経はこの女魔の仕業であり、世に蔓延する売春婦たちは彼女の配下であるとされます。


その他の魔
 アヴェスタでは、ゾロアスターを誘惑しようとして来たブーティ、男の妖術師ヤートゥ
アパオシャの協力者スプンタジャグルヤなどが書かれています。
あとは、古代ペルシャの文献には、アラースト(非真実)
ザルワーン(老衰)ワラン(情欲)スパスグ(中傷)などです。


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