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カテゴリ:虚無
夜になると、ふんわりふうわり
漂う金木犀の香りを堪能する。 この季節ならではの贅沢である。 夜風に包まれて、纏わり付く 馨しい香りと共に夜道を歩く。 その香りを楽しむ為に、 わざとゆっくりゆっくり歩く。 少しだけ冷たい風が心地良い。 この2日程、眠気が酷い。 身体の調子に関わっているものなので、 納得できる眠気である。 いつもと同じ量の眠剤を服用しているのに いつもより2~3時間はゆったり眠れている。 その心地良い眠気に吸い込まれるように、 惰眠を貪っている。 眠っている時だけが心身を休ませられる時であるし、 何も考えなくて済むので、 とても心が安らぐ。 断眠しながらも、目覚めたのは17時半であった。 身体が果てしなく怠いので、 シャワーをゆっくり浴びて目を醒ます。 何も口にする暇は無いので、 それも楽である。 でも夜になれば、 苦しい辛い過食嘔吐が待っている。 どうしても逃げられないし、避けられない。 けれども、この行為があるからこそ、 生きていけるのである。 そして過食嘔吐をしてしまった事に対して、 余計に自分を責めてしまったら、 もっと苦しくて仕方なくなる。 私は病気で、これは病症なのである。 その事をよく鑑みなければならない。 毎日の事なのであるから、 今日はどんな気持ちでこの行為に至ったのか、 如何してやらなければならなかったのか等、 それらを考えるのは無駄な事ではない。 毎日、同じ行為を同じ時間に繰り返していても、 毎日、同じ気持ちで同じ行為に至った訳では 無いのであるから。 それを鑑みるのはいいが、決して自分で自分を 責め抜いてはならないと思う。 充分苦しんだし、辛い目を見た。 自分でなければ己を癒せない。 でも、考えるのは本当に疲れてしまう。 過食が後半に差し掛かった時、 心が激しく軋み、苦しみを叫んでいる。 それをつぶさに感じるが、どうしようもない。 嘔吐し終わるまで、ずっとずっと 軋んでいて、心の中で助けの叫びをあげている。 それを救ってやれるのは、やはり自分しかいない。 だから自分を大切にしたいと感じる。 しかし、そこで自分の事ばかりになってはいけない。 感謝の気持ちを忘れず、相手を慮る気持ちを 持っていなくてはならない。 自分の事を大切にする上で、身近な人々も 大切にする事が大事である。 そして『感謝の気持ち』・・・。 “ありがとう” と言う言葉を常に心に持ち続け、 特に母には感謝しなければならない。 母の愛情や心遣いのお陰で、 症状が幾分落ち着いているのであるから・・・。 他に余裕はないが、せめて感謝の気持ちは 絶対に忘れないでいたい。 宵の口に、私はスーパーへ向かう。 夜の帳が下りる頃、漂ってくる金木犀の香りを含んだ 夜風が、とても優しくて心がなだらかになる。 過食嘔吐や抑うつから少しだけ脱却できている 時間である。 それはとてもとても大切な時間である。 風は冷たいけれど、心は温かくなる。 『こころ』・・・。 今はこれを大切に大事にせねばならない。 蔑ろにしたり、苦しい上に責め抜いたりしたら 余計に荒んでしまうであろう・・・。 明日は電話診察の日である。 辛苦や心細さ、哀しさ、寂しさ、虚しさを 言葉にして主治医に伝えられる、唯一の時間である。 上記に記した想いは、病気であるが故に 強く激しいものである。 それを主治医と話し合って、言葉を交わす事で 少しばかり楽になるのを感じる。 古傷を抉るのは苦しいものであるが、 その傷に溜まった膿みを出してしまえるよう、 きちんと想いを言語化できるようになりたいものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.09 20:38:20
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