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カテゴリ:診察・カウンセリング
夜中から、物凄い強風が吹き荒び、
少しずつ冬が歩み寄ってくるのを 感じた。 こうして秋はあっという間に終わり、 冬と言う厳しい季節を迎えるのである。 けれどもその分、空は澄んで 自然を身近に感じられるようになる。 冬の寒さは耐え難いが、 私は冬生まれなので、雪が降ると 物凄く嬉しい気持ちになる。 私は無宗教であるが、 一度でいいからホワイトクリスマス と言うものを体験したいと想っている。 世間が浮き足立つ中、私は家に根を下ろし、 毎年祖父母から送られてくるケーキを味わい、 空から降る白い粉に想いを馳せてみる・・・ それもまた一興であろう。 しかし現実の私は、祖父母の想いが詰まった ケーキを過食し嘔吐する事が忍びなく、 只管揺れに揺れる気持ちを持て余すのであるが・・・。 それにしても、昨日まで結構暖かかったのに、 急に冬が訪れたみたいに寒い1日であった。 勿論空気の匂いも違うし、月も綺麗に見えた。 こうして自然を感じられる事は、病気の寛解への 第一歩でもある。 病気が良くなる為に何が必要かと言うと、 今までと違うパターン、違った気持ちで 過ごす事である と主治医は仰った。 同じ行動パターンを続ける事は、 今までの軌跡を辿るだけ、若しくは 今までと同じ場所を塗り潰すだけの 行為になる。 それを抜け出す為には四季を感じ、 春夏秋冬それぞれに咲く花々を愛でたり、 月を観て美しいと想ったり、 違う空気の匂いを感じたりする事が 大切である。 今までの軌跡を塗り潰すパターンであると、 一進一退する所か、病気である状態の 痕跡を踏み固めるだけとなってしまう。 だから、そこから外れたところに足跡を 付けてみたり、違う色鉛筆で白紙の部分を 彩ってみたりする事が必要なのではないであろうか。 兎に角、 『感覚を大切にする事』 から、始まるのである。 私は、小さな頃からこころを殺して生きてきた。 そうしないと壊れてしまいそうだったからである。 毎日母の叱責と殴打に耐え、 学校に行けば差別を平気で行なうオバサン教師に 言葉で貶され、時には殴られ、 落ち着く場所が無かった。 だからこころを殺してどこかに隠しておかなければ、 生きてくる事はできなかったであろう。 そしてこころを病んだのである。 しかしここで大切なのは、 病むと言う事で自分の内側から殺していた こころを復活させてきているのである。 そして、とことん病まないと医者でさえも 救うことは難しいのである。 と言う事であろう。 こころを病んでいても、こころを失った訳ではなく、 ギリギリの所で皆過ごしているのである。 ギリギリの所で生きるという事は凄く辛い。 死んだ方が楽だとも感じられる程である。 しかしそこで死んでしまっては、 今まで築き上げてきたもの、 病んでも何とか軌跡を創り道を創り 必死でやってきたことが無駄になってしまう。 私の中に、希死念慮が無い訳ではない。 上記の様に 「死んでしまえればどんなに楽であろう」 と考える事もある。 けれども、それよりギリギリの所で今まで生きてきた 自分の創った軌跡を、無かったものにするのは忍びないと 感じるのである。 今も、苦しみを感じると こころを凍結してしまう。 それは、気持ちやこころが揺れ動く事を 苦しいと感じてしまうからであろう。 でも、揺れ動くからこそ『こころ』なのである。 そこから、新しい気持ちや想いが生まれていく。 それを忘れてはならないと感じる。 唯、気を付けなければならないのは、 こころが勝手に揺れる状態を為すが侭に してしまったら、極端に揺れきった時、 『自殺してしまう』 と言う可能性もある。 過食嘔吐をしている時、 私のこころは一旦凍結されるが、 それらが終わった後、こころが物凄く 揺れに揺れて、虚しく哀しく、苦しく想うのである。 そこで自己制御をして 『死んでしまったら何もかもが無駄になる』 と言い聞かせねばならないのも 少し辛く想える・・・。 私のこころは、凍結させ続けたが故に 未だ胎児の様な状態なのであろう。 透明な殻に包まれて、世間の情勢は見えるものの、 微動だに出来ないでいる感じがする。 しかし、身体は動いているし、こころも自然を感じ取ったり 変化を痛感したりできるので、 毎日の“経験”を積み重ねて、何れ凍えた透明な殻から 新しい自分が生まれ出る事が出来るかも知れない。 時間を積み重ね、経験を積み重ね、そうする事によって 人間は成長していく。子どもであろうが大人であろうが、 人としてどんどん成長していける。 そこで無理をして、『せねばならない』と想ってしまったら とても都合の悪い事になるが、 焦って前に進もうとせず、焦って成長しようともせず、 自分のペースでゆっくりと周りを見渡せればと感じる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.07 20:45:56
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