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2008.01.20
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カテゴリ:想い

久し振りに聞く、雨音。

朝からずっと、今もまだ

降り続けている。

だからなのか、いつもより寒さが厳しい。

足元からしんしんと冷えて、

冬という季節を改めて実感する。

ヒーターの前から中々離れられない。

温かさがこんなにも愛おしく感じられるのも

冬ならではであろう。







雨音を子守唄に、すうっと眠りに落ちた。

PMSの症状もなくなったので

眠剤を服用した後、何かを食べたいという

衝動に襲われる事もなく、

ゆったりした気持ちでお蒲団に入り、

静かに目蓋を閉じる。

TVの音を小さくして、雨音が響く中、

色んな事をゆらゆらした感覚で考えながら、

段々意識が遠退いていく感じが、

今の私にとっては一番幸せな

瞬間なのかも知れない。

昔からずっと変わらない事である。

眠っているときは、病気の症状に

苦しむ事はないからという理由が

大きいと想う。







流動物で、主に栄養を補っている。生きている。

過食と嘔吐以外では、ミルクティーや

もずく入りのお味噌汁、インスタントのお吸い物、

発泡酒や日本酒などを飲んでいる。

ただ、母が作ったものは例外で、

お鍋でくたくたに煮込んだ、

白菜などのお野菜や春雨、

スープなどは頂けるようになった。

また、母が病みつきになっていた

しらすの釜揚げを大根おろしで頂くという

お酒の御肴も、食べられている。

その他の食べ物は、多くが過食に繋がる。

それがこの病気の症状であろう。

お肉は、牛肉をはじめ、豚肉も鶏肉も

どれも「脂肪分が多いから太る」といった

イメージが強く、怖くて食べられない。

【怖くて食べられない】

という感情は、中学生の頃

摂食障害を患う切っ掛けとなった

間違ったダイエットによるものであろう。







中学生の私は、ダイエットに対する知識が乏しかった。

例えば、

“食べる量を減らせば痩せられる”

“その上で運動量を増やせば痩せられる”


という考えが大きかった事である。

だから、拒食状態に陥ってもそれと気付かなかったし、

何も食べず、水を沢山飲むだけで

毎晩のウォーキングだけは欠かさなかった。

無論、栄養が足りないのだから、痩せた。

そしてそれらの行為をやめて、

以前の食生活に戻した途端、

リバウンドは始まった。

それは、恐怖だった。

必死になって痩せたのに、体重計の数値は増えていく。

だからまた食べる量を抑えたが、

我慢する力は残っていなかった。


その頃、母は仕事のストレスで

夜中にお酒を飲みながら食べたいだけ食べて、

吐いていた。

私は或る日、我慢しきれずスナック菓子を

1袋全て食べきってしまった。

あの時の、罪悪感や自己嫌悪の念は

今でも覚えている。

だから、母の真似をしてトイレで嘔吐した。

それが、病気の始まりであった。

この事は、何度かこのブログに記した。

なので、これまでに留めておく。







寂しかった。哀しかった。心細かった。

摂食障害を患って間もない

私の気持ちは、それだけに尽きた。

母は相変わらずお仕事で大変な上、

ストレスを溜めていた。

妹と弟は宿題もしないし勉強もしない。

作ったご飯もちゃんと食べないし、

そのマナーも悪過ぎた。

妹と弟の事については、全て私の責任となり、

私はいつも叱られていた。怒られていた。

打擲されていた。

その内、精神のバランスは静かに

私の知らない所で、崩れ始めた。

何をやっても裏目に出てしまう事。

学校で過ごす事も、家で過ごす事も辛い。

歪が大きくなってからは、こころのバランスを崩し

やがて摂食障害は酷いものへと進行した。

その頃の記憶は、少しあやふやになっている。

きっと物凄く辛い事があったのであろう。







閑話休題。

23時前まで、私は母と一緒にいた。

「一緒に映画観ようよ。」

と母が誘ってくれたからである。

日曜洋画劇場でやっていた、

『エイリアンvs.プレデター』を、共に観た。

母の部屋には、4.5畳なのに

アップライトピアノと箪笥があるため

お蒲団を敷いたらそれでいっぱいになる。

TVとテーブルもあるので、

お蒲団は1組しか敷けない。

だから母と2人、ホットカーペットを

ベッドマット用のマットの上に、

そしてその上に敷布団を敷いている

温かい場所で、小さなTVを眺めた。

私は、湯呑みに日本酒を入れて持ってきて

飲みながらTVを観て、

母は、熱燗を飲んでいた。

祖父母が昔から映画が好きなので、

母も映画が好きなのだと言っていた。

母が子どもの頃、父親が船乗りの一仕事を終えて、

数週間の休みがある間には、

映画館に連れて行って

もらっていたという。

それが母は、とても嬉しかったらしい。







幼き頃の記憶は、甘い記憶となる事もある。

私にも、遠く甘い記憶がある。

3歳位の頃、祖母が体操の先生をしていた道場で、

授業が始まる前に母と鬼ごっこをした事。

怖い夢を見て泣いていたら、

母が抱き締めて「夢やけん、もう怖い事ないんよ」と

涙を拭いてくれた事等・・・

数え切れないほどある。

14日に、少し酔った母から聞いた事も、

胸が温かくなる話だった。

日中に怒り、頭に血が上って叩いたり蹴ったりした事を

反省して、大丈夫かと心配になり、私達子どもの寝顔を見つめ、

謝りながらその寝顔にキスをしていた事。

母は決して非情で冷酷な人間ではなかった。

ただ、暮らしている環境が、母を追い詰めていた。

暴力によって、子どもを躾けねばならないと

想うほどまで、こころは逼迫していたのであろう。

それが、今となっては理解できる。


だからもう、

【ゆるす・ゆるさない】

の問題ではなくなってきているのを感じる。

あの頃の母の気持ちを汲み取り、

現在、如何に母が私の事を愛してくれているか

という事実を大切にすべきだと考える。

もう、過去の母と現在の母が繋がらないという事はない。

私の母は、母である。唯一無二の存在である。








夜、母と共に過ごす時間を大切にしたい。

ブログなら、いつでも綴れる。

母と過ごせるのだから良い事である。

ブログの更新が遅れたり

お休みする事になったりしても

余り悪い事はない。

一緒にお酒を飲みながら、映画の感想を述べ合う時間。

母の存在を物凄く身近に感じる時間。

今までの私には無かったものである。

また、母もそういった時間を積極的に

持とうとはしなかった。

お互い、心に少しこころに余裕がある時、

【共に過ごす時間】が実現する。

私にとっては本当に幸せなことである。

何しろ、こころにぽっかり空いた穴を、

正しいもので埋められている時間なのであるから。

そういう時間を持てたら、過食や嘔吐への

興味が失われるのを感じる。

ただ、感じるだけで強迫行為である為、

やらねばならないという気持ちが強く、

夜中にはその行為に及んでしまっている。

でも、母との時間を過ごせたか、過ごせなかったか

という違いは大きい。

これからも、少しでも多く

母と共に過ごしたいものである。







いつものように、スーパーで同じコースを歩き

同じ商品をカゴに入れていた。

ふと、雑誌・本のコーナーを見たら

『余命1ヶ月の花嫁』という本が1冊だけあった。

私が以前から読みたかった本である。

今は、本屋まで行く気力が無い。

それに、此処にも1冊しか置いていない。

「買うしかない」そう想った。

予算内に抑える為、カゴに入れていたものを

3つくらい、元の場所に戻したが、

それでも予算はオーバーしてしまった。

母に、そのことを謝ると、

「本なら、残るんやから。買っても後悔せんでいい。」

と言ってくれた。

今月は、妹の彼氏が正式に結婚の挨拶を

したいという事で、居酒屋へ行って、

全員が飲食した料金を払った為、

金銭的に逼迫した状況にある。

それでも、私が本を読むことが大好きである事を

分かってくれていて、その事を責めなかった母に

こころから感謝している。

妹の彼氏はかなり食べる為、

大衆居酒屋でも量の割には料金が高い場所

だったので、かなりの支出となった。

【私も居たから】

というのが大きな原因でもある。

お金がないと、どうしても余裕がなくなるが、

それはこころの贅沢とは関係ない。

お金で得られないものが、こころの贅沢となり、

こころが潤ってこそ、生きていく活力が発生する。

今は、兎に角焦らない事を心掛けたい。





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Last updated  2008.01.21 00:13:26
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