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凍えたココロ

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2008.07.13
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カテゴリ:想い
12日土曜日、朝。

寝入り端にかかってきた電話で目が覚めた。

それは、

「じいちゃんの意識が無くなった」

という妹からのものだった。







あまりのショックに頭の中が真っ白になった。

兎に角祖父は、以前入院していた病院に

救急車で運ばれる事が分かっていたから

妹の運転する車で共に、そこへ向かう事になった。

今まで、動かなかった身体。

緊急事態だからか

きびきびと動き、支度を終えた。

支度を終えた頃、母から電話が掛かってきて、

「じいちゃん、意識は戻ったけん、大丈夫よ」

と伝えられた。

一応、安心したものの

それは元の状態に戻ったのか、

それとも前よりも酷い状態になってしまったのかは

聞けなかった。

なので相変わらず緊迫した気持ちは続いていた。

病院へ向かっている途中、無邪気で居る姪に

こころが慰められるようだった。







救急搬入口近くのベンチで、

妹、姪と共に救急車に乗ってくる祖父と祖母、

そして別々の車でこちらに向かっている

母と叔父・叔母の到着を待っていた。

姪っ子は一時もじっとしていなくて

土曜日で休診日の院内、その静けさの中を走り回ったり

チョコレートを食べたり、おしゃべりをしたりしていた。

その相手になりながらも、

私の胸の中には激しい後悔の念が渦巻いていた。

「身体が動かないと言って会いに行かないなんて

 私は何て馬鹿なんだ。

 もう、母さん達から聞いていたリハビリの様子や

 笑うじいちゃんを見られなくなるかも知れない。

 こうやって現実になるまで分からないなんて

 本当にど阿呆で大馬鹿者だ」


自分を責め苛む言葉だけが浮かんでは沈み、

心細くて堪らなかった。

そして、救急搬入口に看護師さん達が向かい、ドアが開いた。







まず、祖母と入院先の男性看護師さんが入ってきた。

祖母に様子を聞くと、

「大丈夫よ。殆ど何ともない。

 でもね、一応検査だけはしておいたほうがいいからね」


と落ち着いていた。

でも、祖父の意識が無くなったと

祖母の所に連絡が入ったのは

朝食を食べていた時だったらしく、

夕方祖母を家に送り、少し休ませてもらった

部屋の様子を見て、その焦りや慌てた様子が

窺えた。

急須の蓋が別々の部屋にあったり、

ペンがキッチンに置かれていたりした。

話を戻す。

祖父は、酸素マスクを付けてストレッチャーに寝かされたまま

入ってきた。

目は開いていたが、動かないので

不安はいよいよ増していった。

救急隊員の方や看護師さん、その日の担当医の方で

色々と処置の仕方を決め、

CT撮影と血液検査・尿検査の後に

祖父と対面する事ができた。

久し振りに会った祖父は、痩せていた。

歩かなくなったので足が細くなっていて、

仰向けに寝ていたそのお腹を触ると、

肋骨がはっきりと感じられた。

ぎゅっと胸がきつく締め付けられる想いがした。

祖父に、

「○○(私の名前)よ。分かる?」

と笑顔で訊ねると、

祖父もまた笑顔になり、

「おお。おお。」

と応えてくれた。

祖母・母・妹・姪・叔母・叔父と

順番に話しかけた後、私を含める数人が

祖父の傍に残った。

祖父は、朝食を食べていなかったので

電解質と糖分の点滴を受けていた。

もう一度、同じ質問を祖父にすると、

少し不明瞭ながらも、

「分かる」

と発言した。

また、私の左手を握り、

指を1本ずつ確かめるように触っていき、

指輪のある指に辿り着くと

それを取ろうと頑張っていた。

殆ど眠っていなくて浮腫んでいた私の指。

なので中々指輪が抜けず、

祖父は動く左指でくるくる回したり

力任せにねじ上げようとしたりしたから

痛かったけれど、

指輪を外せたときには誇らしげに

「ほら」

と私に見せて返してくれた。

また、姪っ子の頭を笑顔でくしゃくしゃ撫でたり、

話す祖母の方を向いてその存在を確認したりと

退院時よりもより活発になっている祖父がそこには居た。

そして、検査結果を聞いた。







結果、

CTの写真を見ても新たな出血は無い。

寧ろ、退院直前は出血部分がまだ残っていたけれど、

今はその白く濁った部分は無くなっている。

意識が無くなった時の所見では、

虚血性脳血管障害ではないかという事だが、

それは、この診察では分からない事。

血液検査の結果も、退院直前の頃より

断然良くなっており、悪いところは無い。

点滴が終わったら、このまま今までの病院に戻って

リハビリをしても大丈夫
との事だった。

確かに、以前より痩せてしまったものの

意識はいつもはっきりしているし、

喋ろうとする想いが強く感じられる。

動く左手で、身体を支え起き上がろうとさえする。

これはまだ、リハビリが充分ではないため

身体を支えきれず倒れてしまうのであるが。







この1日は長かったので

分割して綴りたい。

今まで祖父に会いに行かなかった事を

猛省した。

たとえ、病気で身体が動かなくても

調子の良い日に

幾らお金がかかっても

タクシーで行けた筈なのだから。

苦い想い、でも、祖父に会えて

その溢れる生命力を感じられた嬉しさを

忘れないでいたい。





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Last updated  2008.07.13 02:34:13
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