酔候☆酒☆徒然なる山遊び

１９７７年８月初旬　

おいら達は　立山から槍ヶ岳を目指していた。

　高校山岳部　夏山合宿

おいらは４６期主将

　余力があれば　槍ヶ岳を越えて

　　上高地に凱旋するはずだった。

部員の疲労　そして　食料　燃料

　もう一泊して　槍ヶ岳を越える力が残って無い事を

　　三年部員で合議した。

三俣蓮華　か　双六か忘れたけど

　二日分の行程　一日で走破する！！

全員の荷物を点検して

　廃棄できるモノは全部廃棄して

　　身軽になって　新穂高まで走り降りる

悲壮でなく　やり尽くした感じ

　新穂高バス停を目指して・・・

　　鏡池？　最後の下りがはじまる前に

全員で　水を飲んで　下りに備えて

　登山靴の靴紐を締め直して

　　走り始めた！！

おいらは最後尾で　落ちていく後輩達を

　サポートした。

　　数時間の格闘

左俣林道　新穂高温泉の匂いがする頃

　先頭の副主将・・・

叫び声が聞こえる

　「バス行っちゃった～～～～」

最後尾のおいらが後輩達を連れて

　バス停に着くと　１０分前に

　　最終バスが行ってしまった！！

あの頃は　林道の左側にぽつんとバス停があった

　みんなでザックも下ろせず　座り込んだ

　　どうしよう？

目の前には　池のような無料温泉が有って

　その上には　登山センターが有った

でも　一度　部員全員で　整列して

　部長先生に夏山合宿終了の挨拶をした。

「これを持ちまして　夏山合宿終了します

　途中　立山　太郎平　で　脱落者も出ましたが

　無事　到着しました。」

　つぎの夏山合宿向けて精進することを

　　誓います

　　　時代は　昭和だった









おいらに取って

　それ以来　新穂高は鬼門となったけど

　大学生になって　山岳部に入部したけど

　「こいつらと山行ってもヨーロッパに届かない」

　　その後　おいらの学校の山岳部が　冬山で笠ヶ岳？

　　　遭難事故を起こしたけど　詳細は忘れた！！

　ＯＢ会の先輩達が　ヨーロッパ遠征合宿　決めたから　

　　おいらは退部をして　社会人山岳会に入った

　　　それが　人生の運の尽き・・・

涸沢　穂高岳　詣でを始めたけど

　岐阜側の穂高には　近づかなかった

　　あくまで　屏風岩　前穂高東壁

バイト先の社長がね

　屏風穂高のね　マイスターだったから

　伝説の屏風穂高槍ヶ岳北鎌下降　厳冬期２３日間

　　穂高に関しては　厳しかった。

でもね　還暦も過ぎると　取りこぼした青春？

　おいらは　取り返す気も無い

　一期一会のクライミング

　　そして　大師匠の　有り難いお言葉

「今日のクライミング行為にアルピニズムは有るのか？」

　「男を磨け！！」

男を磨きに山ばかり行ってると

　社会人に戻れないことを悟った

あれから　半世紀近く

　おいらは　高級温泉ホテルに泊まって
　
　　飛騨牛を食べてる

岳兄　一期一会のクライマー

　みんな　エベレストより高いところに居る

　　ざまーみろ！！　鬼ころし飲めないだろ？