Angel

2016/12/28(水)02:14

ああ、誕生日が近い。

『 涙の欠片 』  誰も知らない場所に消えてしまいたい 『お姉ちゃん、ごめん・・・私、彼のことが好きなの』 『ごめん。だけど、お前は俺がいなくても大丈夫だろう。』 私の誕生日、久々に彼と逢う約束をしていた。だけど、最低最悪な悪夢な誕生日を迎えた。彼の部屋に、私の妹。抱き合い、口付けを交わす恋人。 二人で裏切って、二人で傷付けた。ああ、目の前の出来事にショックのあまり涙も出ない。怒りさえ、通り越して思った。 “ああ、このままどこかに消えてしまいたい・・・夢だったら良かったのに・・・”    何もかも捨て、会社すら辞めて遠い誰も知らない場所に逃げた。 何もかもどうでもよくなって、死んでしまいたいと思った。 真っ白な雪景色。穢れ無き白。 この雪の中にでも消えてしまいたいと思っていると 「おい、姉ちゃん。こんな所で何やってんだ?迷子か?」 地元の人らしきおじさん。 「旅に来たんです・・・」 虚ろで覇気のない私を心配した親切なおじさんは家に招いてくれた。 そこで自分の新しい世界を見つけることになるとは夢に思わなかった。  おじさんの家には、奥さんとお爺さん、御婆さん、そして二人の息子さんがいた。 一人は無口で、ぶっきら棒な青年。歳は近そう。もう一人は人懐こい大学生か高校生くらいの少し幼い青年だった。 突然の来訪だったのにも、拘らず奥さんを始め、この家族の人達はとても温かった。 ほんの一晩、宿を借り、そしたら、またどこかに行こうと思っていた。  借りた部屋の窓から、そっとベランダに抜けると、眩いばかりの星の光が優しくて、泣くとすら忘れていた私は声を殺してそっと泣いた。 その姿を見られているなんて思いもしなかった  snowの日記 いきなり重い話です。

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