カテゴリ:日々の日記
『 涙の欠片 』 パート3
女はすぐ泣くから嫌いだった。 媚びて、困れば泣き、可哀想な被害者を演じる女が嫌い。 冷たい、冷徹人間、心なし、鬼なんて言われたけど、誰も知ろうとしない。そのくせ、自分を悲劇のヒロインとする女が大嫌いだった。 彼女もそんな所にいる部類と思っていた。 父が連れてきた厄介者。受け入れたくない。弟は興味があるから近付き、下心しかない。両親や祖父母は行き場のない不安定な彼女を心配して置いていた。 始めの夜。終始、無表情で、何を考えているか解らない彼女が一人になった途端泣いていた。 何のために泣いているかなんて知らない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 31, 2016 02:23:29 AM
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