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2010年11月23日
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遺言により、財産の遺贈を受ける者が、遺言者より先に死亡した場合は、その遺言はどのようになるのでしょうか。


問)伯父は、弟にあたる私たちの父に不動産を遺贈しようとして公正証書による遺言を作成したところ、父の方が先に死亡してしまいました。私たち子供は伯父の死後、遺贈を受けられますか。

遺言者が包括的または特定の名義で、その財産の全部または一部を処分することを「遺贈」といいます。「贈与」に似ていますが、贈与は、贈与をする人が生きているときの行為であり、かつ、贈与を受ける人(受贈者)との契約です。
一方、遺言は、死後の行為であり、従って、単独行為です。

そこで、遺言者は、「遺贈者」であり、遺贈の利益を受ける者を「受遺者」というものの、単独行為であるので、単純に相手方という訳ではありません。

遺言は、相手方のない単独行為だからです。

それは、ともかくとして、遺贈について、次の点を確認しておきましょう。

1)遺贈者は、受遺者に対して、財産上の利益を与える行為ですから、遺贈者の債務を受遺者に引き受けさせることができません。

2)遺言の自由、遺贈の自由はありますが、無制限ではなく、遺留分に配慮する必要があります。

3)遺贈の対象となる権利は、遺言者死亡のときに、相続財産に属していなければなりません。尤も、遺言者が、相続財産に属していないこと、属していないかも知れないことを承知して、それでも受遺者に与えたいと思って遺言することは自由です。従って、そのことを明示していれば遺言は有効となります。

4)遺贈は、遺言者の死亡以前に、受遺者が死亡したときは効力を生じません(民法994)。

言い換えれば、受遺者は、遺言の効力が生じる遺言者の死亡のときに、生存していなければならないことになります。

しかし死亡のとき以前に受遺者が死亡していても、遺言者が特別の意思を表示していれば受遺者となることは可能です。

尚、よく例に出されるのは、遺言者と受遺者が同じ航空機で事故に遭遇し同時に死亡した場合、この遺贈の効力はどのようになるかという問題がありますが、「同時死亡の推定」を受ければ、この遺贈は無効になります。

これも前述のように、遺言者が特別の意思を表示していれば受遺者となることができます。

そこで、これらを踏まえて、問)を考えてみるに、あなたたちの父への遺贈は無効・遺言はなかった、と言うことになります。

しかし、遺言の中で、「弟が先に死亡した時は、弟の子供達に不動産を遺贈する」と明記しておけば、遺贈は有効となります。

仮に、そのような文言がない場合、無効が原則ですが、先の文言の内容をあなた方や周囲の親戚などに話していたなどからの状況が充分に確定的にあるとされる場合、文言がなくても、有効とされる可能性は残されています。

ところで、問)は、受遺者側からの問題でしたが、

あなたの作成した遺言が、この問)と同じように遺贈する相手が先に亡くなってしまった場合はどうしたらよいでしょうか?・・・・・・・・
遺言は何度でも作ることができますから、この際、遺言書を作り直した方が良いと思います。

又、内容にもよるので一概には言えませんが、遺言で受遺者を指定していたにもかかわらず、

受遺者が先に死亡する場合を想定して、次の順位を指定しておく、

予備的遺言条項」を入れることも一つの方法です。






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最終更新日  2010年11月23日 11時48分04秒
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