カテゴリ:どうやって相続するか
こんな相談がありました・・・!!! 遺言を実行するのにどうしたら良いでしょうか? 遺言の内容を、法的に、実現する手段を「遺言の執行」と言います。 遺言の内容によって、格別の事務を必要としないものもあります。 例えば、後見人・後見監督人の指定(民法839・848)、 相続分の指定または委託(同902)、 遺産分割の禁止(同908)、 遺産分割による担保責任の変更(同914)、 遺言執行者の指定またはその委託(同1006)、 遺留分減殺の制限(同1034)等の遺言は格別の執行を必要としません。 その他の遺言には、執行を必要とすると規定されているものが多くあります。 そして、この執行に、相続人以外の「遺言執行者」によらなければならないものや、 遺言執行者・相続人のいずれもが行うことができる場合のものもあります。 遺言執行者によらねばならないものに、認知(民法781・戸籍法64)、相続人の廃除・取消(同893、894)があります。認知の遺言があれば、少なくとも届出をしなければならないし、成年者であれば、本人の承諾、胎児であれば、その母の承諾を得る必要があります(同782、783)。 遺言執行者・相続人のいずれもが行うことができる場合のものには、遺贈(同964)、遺言による遺産分割の指定(同908)があります。
しかし、遺言が相続人の意向に反しているとか、相続人の廃除などのように、相続人の利益と相反する場合とか、相続人の協力が得られない場合も少なくありません。 このような場合、誰か別に執行を行う者がいると執行が円滑に進めることができます。 このような時、家庭裁判所の「遺言執行者」の選任申立をし、遺言の執行をしてもらう方法があります。 姉が、遺言に従わず、権利書や有価証券を握って放そうとしないときは、遺言執行に必要な範囲で、当該書類の引渡しを求め、また、土地売却の登記手続きの履行を求めることもできます。必要とあれば訴訟を提起する権限もあります。 とは言え、いきなり、強権的に権利・権限主張をすることは差し控え、感情論ではなく、遺言の効力自体を争うものであったとしても、双方話し合いを進め、これに応じなくても、家庭裁判所に「親族間の紛争」として調停の申立をするなど、感情的対立を深刻化させない方法をとるのが得策と思われます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年01月23日 06時36分41秒
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