一期家一笑　ヒロシ日記。　～下地で八百屋をやっています。ナウ！～

先日の台風、みなさんのところは大丈夫でしたか？

一期家一笑は、なんとか大丈夫だったのですが、道を挟んだ前の町内では停電したり、

信号も何カ所か停まっていたりと、すこなからずの被害がありました。

自然には、かなわんなぁ、と改めて思い知らされる一日でした。

豊橋の石巻町は桃や梨、そして次郎柿などの果樹の一大産地ですが、

果樹園の被害も甚大なものでした。

収穫を目前にして、無残にも落下した梨たち。

こういうことが、今までもあったことは知っていましたが、

いざ、現場を目の前にして自分事として考えると、

その失望感というのは計り知れないものがあります。

自然を相手にして生活している農家さんというのは、

あらためて大変だなぁ、と思いました。

今日、石巻町の今川果樹園さんにお邪魔してきました。

先日店長とお邪魔して、梨のことを教えていただいたすばらしい果樹農家さんです。

今川さんの畑も大きな被害を受けました。

そして、その落下した梨の中から、いたみのないものを選別して分けていただきました。

写真でもわかるように、今川さんの畑には、草がたくさん生えています。

この草がクッションとなり、梨のいたみを軽くしてくれました。

明日から、いつもよりもグッとお値打ちな価格で販売させていただきます。

ぼくらに出来ることはすくないですが、それでもできることを探していきまーっす。

今日も一期家一笑にきてくれてありがとうございます。

渥美半島より、永田農園さんの自然栽培野菜も入荷しています。

きなうりに、白かぼちゃ、無農薬のなすにきゅうりなど、

滋味あふれるおいしい野菜をぜひ食卓に。

以下、今川果樹園、綾子さんのメッセージです。

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昔から雨の日は好きだった。

農業にきまった休みはない。天気のよい昼間、一緒にお出かけすることも出来ない両親と雨の日はお出かけしたり出来るから。

でも台風が近づいてくると、はしゃぐ友達とは裏腹

私には言いようのない憂鬱感が押し寄せてきた。

苗木の植え付けをしたその日から "収穫" という一点にむけ

暑い日も寒い日も畑に出て作業してきた時間と、資材費や人件費といったお金がほんの数時間のうちに流される。

翌日、台風一過の暑さの中、虚しく畑を片付けする両親をみるのが昔から嫌だった。

でも毎年台風はくるのだ。

せっかちな私は無駄なことはしたくない。いろんな技術がすすんでるはずの近年、何か手だてはないのか？とずっと思ってきた。

あるようだ。果実の軸を固くして落下をぐ落下防止剤、または多額な投資をして頑丈なハウスをたてるとか。

しかし、そうしたとき梨一個一体いくらで売れば生活出来るんだ？1500円？

そんな考えをめぐらせると農業をやっていく理由はぼやけてくる。

でもきっと見るべきは、すぐに結果を求める私のせわしい心であり、

利益追求することを第一優先とする資本主義の考え方そのもののように思う。

今よりもっと売り上げを伸ばそう、今よりもっと効率をあげて、今よりもっと幸せな人生をと。どこまでいっても今に満足しないのだ。

それによって私自身、

後回しにしてきた優しさが

あるように思う。

それでも悔しいけど今日の台風一過の空も美しかった。

そしてオカンの働く背中は涙が出るほど美しい。