Kira Kira ぱらだいす

2007/06/29(金)03:36

嬉しいことと悲しいこと

アメリカレポート(69)

先週末土曜日は友達の40歳の誕生日パーティでした。 この人は2月に40歳を迎えてやはり盛大にパーティをした人の旦那さん。 奥さんが湖でのクルーズパーティを企画しました。 今回も大人だけのパーティなので、子供たちはおうちでベビーシッター(これも私たちのお友達夫婦)とお留守番です。 6時に出発。ボートは岸辺に並ぶ豪邸を見ながら、ゆっくりと進みます。あいにくとこの日は雨が振ったりやんだり。一階はエアコンつきなので、みなここで食事を食べたり、バンドの音楽を聴いたりして、楽しみました。おいしい料理でした!バンドも前回の人たちと同じだったので、私の好きな音楽をまた演奏してくれたし。 後半はスライドショー。 友達の赤ちゃん時代から今までを20分にまとめて見せてくれました。顔が娘さんにそっくりで、娘さんのルーツはここだね、ってみんなで言ってました。 雨があがったので、2階のデッキにあがってみました。意外なほど濡れていなくて、風を受けながら、暮れなずむ景色を楽しみました。今回はクルーズパーティだったので、客たちも前回ほどフォーマルではなく、私たちもちょっときどったハワイアンをテーマに花柄のドレスとアロハをきて行きました。 みんなに祝福されてとても幸せそうな旦那さん。企画したパーティが無事終わって、これまた幸せそうな奥さん、と何もかもが幸せで、招待客たちもみな笑顔で船を下りました。 … そして、翌朝。 彼らの息子のニコラス君が入院したのでした。 胸が痛い、とおきだして、日曜日だったのでERに連れて行ったところ、血液検査の結果、なんと… 急性リンパ性T細胞性白血病 ニコラス君は生まれたときからのSの仲良し。彼らがうちの近くに引っ越してきてからは食事に呼んだり、一緒に遊んだり、プールに入ったり、ベビーシッターをお互い引き受けたり、と家族ぐるみで付き合っています。なので、それを聞いたときはとてもとてもショックで、以来ずっと沈んだ気持ちです。インターネットで調べたら、8割の人は治るらしいけれど、それでも心配です。ほうっておけば4ヶ月くらいで死に至るそうです。 あんなに幸せそうにしていた夜の翌朝にそんなことがあって、二人はその日なにも食べられなかったそうです。以来ニコラス君は小児病院に入院してキモセラピーと放射線治療を受けだしたそうです。 薬のせいか、胸の痛みもなくなり、結構元気にしているとのこと。退屈を紛らわせるために他の友達とおもちゃや本を買って奥さんに渡しました。(ICUにいるのでまだお見舞いはできないのです。)最初の一ヶ月はずっと入院。その後2年以上にわたる根気のいる治療が続くのだそうです。… 彼らの友達はみな同じくらいの年齢の子供のいる親ばかり。彼らの心痛はどんなにか、と思うと本当に胸が張り裂けそうで、昨日、おとといと私もずっとそのことばかりを考えて、眠れませんでした。まだ4歳なのに、とてもつらい治療を受け続けなければならなくなるニコラス。本当にかわいそう。 熱が出たわけでもなく、血が出たこともないのであざでも判断できず、単になんか常にたんが絡むな、というくらいだったし、元気だったので何も誰もそんな重い病気が隠れていようとは思いもしませんでした。でも、デイケアの先生曰く先週末はなんだか元気がなかった、疲れているようだった、とのこと。 もし、これが自分の子供なら気づくでしょうか。しかもアメリカの小児科につれていっても、 「熱がある」→「熱さましを飲ませて様子を見てください」 「たんが絡む」→「結構たんが絡んだままの子供っているんですよ。機嫌がいい限りは大丈夫」 といわれるだけで、絶対に発見が遅れる。 SやMが何かを訴えても、親として「でもなんかいつもと違う」と気づくことができるのだろうか…。 とてもとても不安になりました。 そして、ニコラス君とその家族がとても心配でたまりません。 私たち友達家族はみんなで順番に食事を持っていってあげることにしました。病院との行ったり来たりで夫婦も憔悴している様子。3歳の妹がいるため、普通の生活も保っていかなければならず、できる限りのサポートはしていこうと思っています。 アメリカには白血病患者のための闘病記をつづっていくウェブサイトサービスがあります。白血病だけじゃなくて長期の病気患者のためのサイトだと思います。たぶん、病院から紹介されたのでしょう。そこにぽつり、ぽつりと奥さんが更新を始めました。こういうサービスって便利だなと思いました。だって、病名をきいて打ちのめされているところに、いろいろな人が次から次へと「どう?大丈夫?」と説明を求めるわけで、そのたびに同じことを説明しなければならず、家族としては大変だと思うのです。それがここを見ればなんでもわかる、というふうにしておけばいいわけですから。このサイトには訪問記録もあって、みんな激励の言葉を残していきます。 本当に、本当に、ニコラス君が助かることを強く願っています。 そしてまた元気にSと遊んでほしい。 がんばって。

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