マンションの緊急対応の一つに「機械警備」というシステムがあります。
【機械警備のシステム】
管理事務室に次の監視盤があります。
住宅情報盤(インターホンの親機):住戸の非常押しボタン及び火災報知機を受信
設備監視盤:共用設備(給排水ポンプ、受水槽の満水減水、消火水槽の満水減水等)の異常を受信
火災警報盤:建物の消防設備の異常を受信
異常を受信した場合、管理事務室で盤から警報が鳴ります。
「機械警備」契約を管理会社または警備会社としているマンションは、異常信号が電話回線を通じて、「機械警備」契約先のコールセンターに伝わります。
コールセンターで異常を受信した後、最寄の待機所にいる警備員をマンションに派遣し、緊急対応をするというシステムです。
【 警備業法】
機械警備は都道府県によって若干の違いがありますが、主に次のようなルールがあります。
機械警備業者が機械警備業務を行う場合の警備員、待機所及び車両その他の装備の配置は、基地局において盗難等の事故の発生に関する情報を受信した場合にその受信の時から25分以内に当該現場に警備員を到着させることができるように行わなければならない。
この文章だけ見ると、25分以内に警備員が現場に到着する決まりのようにも読み取れますが、警備員の待機所を現場から25分以内に配置しなさいという決まりなのです。
【機械警備は万能ではない】
昔ピザ屋で指定時間内に到着しなければただになる・・・ということをやっていましたが、前述のように25分以内に警備員が現場に到着する義務はないのです。
天災・地域停電時は機能しないと思ったほうが良いでしょう。それは機械警備の異常信号があらゆるところから集中しますので、警備員がまわりきらなくなります。
大手警備会社であるほど異常信号が集中した場合の対応が遅い。これは一人当たりの警備員が担当する物件数が大手であればあるほど多い傾向にあるからです。
以前横浜で地域停電が起きた際、大手S社が停電の信号を解除しに現場に到着したのが、異常発生から丸一日経過したことがありました。さすがに謝罪文を提出していましたが、同様なことが起きた場合は同じような時間がかかるのではないかと思っています。
機械警備を過信しないで、入居者が緊急対応方法を理解することが大切だと思います。
入居者全員が知ることは難しいと思いますので、少なくとも役員さんは管理事務室の監視盤の仕組みと対処方法は理解した方が良いでしょう。
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