11月に入って、ようやく寒さが身にしみるようになってきました。そろそろコートが必要な季節でしょうか・・・
前回の日記ではフローリングの遮音性能の説明をしましたが、マンションに使用するフローリングの遮音等級は軽量床衝撃音であるLL値を採用します。
新築分譲されるマンションの床フローリングはLL-45等級を使用している場合が多いようです。管理規約または建物使用細則にリフォーム床材料の規格も設ける場合も、LL-45等級以上の性能を有するものとしていると思います。
【床の施工方法】
二重床(置き床)
直貼床
の二つがあります。
フローリング材をLL45を用いる直貼床工法に対して、二重床工法は置き床一体でLL45の遮音性能を有するように施工されています。
二重床
直貼床
【LL-45の性能とは?】
某床材料メーカーのホームページの資料の抜粋ですが、これによるとLL45の床材は上階の音は小さく聞こえ、生活が多少意識されるレベルの遮音性能を有することがわかります。
マンション販売会社で、LL45と言う性能の良い床材を使用しているのでお子様が遊んでも下の階にほとんど迷惑をかけませんと言う無知な営業マンがいます。
これは間違いです。LL値は、スプーンなどを床に落として「コツン」といったり、スリッパで歩いて「パタパタ」するように、比較的軽めで高音域の音を遮音する基準で、子供の走り回る音、飛び跳ねる音の重量衝撃音ではどのくらいの遮音性能を有するかと言うと、LL45はLH50に該当すると言われております。
LL45の床材では、子供の走り回る音は、「聞こえる。上階の生活状況が意識できる」レベルにあたります。
誤った認識の営業マンの言葉を信じて、マンションを購入したご家庭が子供をのびのびと遊ばせます。下の階に響いているとは露ほども知らないのでしょう。しばらくして、下階から苦情が来て嫌な思いをすることになります。
子供ののびのびと遊ばせたい(上下のトラブルは避けたい)と言う理由で、マンションよりも戸建住宅の方を検討している方も多いのではないでしょうか。夢のマイホームを営業マンの一言でマンションと決め、引越ししてすぐにこのようなトラブルに巻き込まれて悲痛な叫びを上げている方が後を絶たないをみると、残念で仕方がありません。
一部の富裕層を除けば、マイホームは一生涯で一番高い買い物であるかと思います。住宅を売る不動産会社はもっともっと真剣に勉強し、購入後のトラブルを極力なくしてもらいたいものです。
LL等級の高い床材は、そうでないものと比べて確かに上階の音は聞こえにくくなります。しかし、仮にLL40の性能を有する床材を使用しても、上階で子供が飛び回ったり、走り回れば下階に音は聞こえます!どうしても、下階のことを気にせず子供を自由に室内で遊ばせたいのであれば、下階に住戸のない部屋を購入するしかありません。そのことをわかっていて、あえて1階の住戸を選択する方も多いのです。
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