1414920 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

P-Blog アイデア&インプレッション

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

まいける160

まいける160

カレンダー

カテゴリ

フリーページ

ニューストピックス

2004.01.03
XML
テーマ:京都。(6067)
カテゴリ:出会い
京都府の南部、奈良と京都の間に山城と言われる地域がある。友人が、そこの田舎神社の一つを、神職として守っていることもあり、去年に引き続き、山城多賀に向かった。
大阪から大和路快速に乗りJR奈良駅に着き、JR奈良線に乗り換える。JR奈良線は、京都から奈良を結ぶ、奈良街道に沿って走る、ローカル線だ。同じ、京都と奈良を結ぶ、近鉄京都線は、木津川を挟んで、対岸を走っている。近鉄側は、関東の筑波に対抗して作られた、京阪奈学研都市があったり、JR学研都市線や国道24号線が走っている事もあり、多少開けている。しかし、大きな川を隔てたJR奈良線沿線は、田園風景と、ひっそりとした古い町並みが残っている。
10年以上前に、電化されたとはいえ、25メートルレールで作られた線路のせいで、古い国電車両を大きく揺らしながら走る。そうやって、奈良駅から20分程で、山城多賀駅についた。
この山城多賀駅は、無人駅なのだか、Jスルーカードという、プリペイドカードが使用できる。自動改札機の横に、通路があり、そこに、小さな機械があり、その機械に、Jスルーカードを入れると、精算できるしくみだ。操作は、少し、要領が必要で、どうにか精算して、駅を出ると、友人が迎えに来てくれていた。
私は、改札で戸惑ったという話をすると、彼は、地元の人間は、その機械の操作が面倒なので、そのまま、通過してしまう人が多いという。なるほど、横断歩道のない所や赤信号でも、自己責任で、道路を渡る「ジェイウォーク」と同じように、改札をスルー(抜けて)してしまう、ジェイスルーをやっているのだ。じゃあ、Jスルーカードは何なの・・・。そんな話をしているうちに、彼の家についた。ここで、自転車に乗り換えである。
彼の守っている高神社は、彼の家から約1キロ離れた山にある。正確に言うと、山全体が神社である。この神社の本殿は、室町時代に作られたもので、京都府の指定文化財となっている。この神社を、父子二人で守っているわけだが、三が日は、24時間体制なので、昼間は父が、夜は彼が当番ということもあり、彼の当番まで時間が空いているとの事なので、彼の案内で、付近をサイクリングをする事となった。
彼は、自転車好きなので、貸してくれたマウンテンバイクも、かなりしっかりとしたものだった。普段は、3段変速機つきのママチャリなので、最初は違和感を感じたが、軽快に走り出した、
田園風景の中を、しばらく走り、少し、山に近付くと、小さな神社があった。市辺天満神社である。辺は大きな木で囲まれている。中には、15メートルの高さになるモチノキもある。
この神社は、瓦職人の氏子が、毎年の干支にあわせて、絵の描かれた瓦が奉納されているのが、見どころである。十二支の中でも、亥の上には、なぜか金太郎が乗っているのが、面白い。
また、正月飾りも独特のものがある。最近は、一般的な、門松を使う所が多いのだが、ここは、竹で、鳥居のような門を作り、梁の部分から藁を簾のように吊り下げ、まん中に、しめ飾りがしてある。鳥が啄んだのか、干し柿が、いくつかなくなっている。また、門の柱の根元のあたりには、松と竹の葉で装飾されており。門松が、まさに、門の形になっている。
そして、足下は、拝む所まで、藁の絨毯が敷かれている。
敷き詰められた、藁を踏み締め、お参りをする。彼は、さすが神職なだけあって、ビシッと拝む。私も、自己流で拝み、次の神社に向かった。


奉納された瓦


市辺天神の正月飾り


田園の中に、小さなカソリック系の教会があった。彼の通った保育園だそうだ。当時は、保育園の数がなく、近い保育園は、その保育園だったという。聞きながら、ちらほらとある、梅林を眺めつつ走っていると、間もなく、次の目的地の天満神社についた。ここも、立派な森がある。
この神社は、中天満神社と呼ばれ、その周りには、黒土古墳群があるそうだ。境内には、神社の清掃当番表が貼り出されていた。この神社も、はるか昔から今も、人々とともに生きてきている事がわかる。
さて、この天満神社の周りには、天神さんだけあり、梅林が広がっている、この梅林の梅を使って、地元の城陽酒造が、地酒に3年梅を漬込んだ梅酒を販売している。甘口と辛口と古酒タイプの3種類があるらしい。
また、この梅林の面白さは、京都に近い土地らしく、酸性土なので、竹林がすぐ隣接しているのだ。あと、松林があれば、松竹梅そろってしまうことになる。梅の季節に、竹林をバックに、面白い風景が撮影できるだろう。


中天馬神社


清掃当番表


地元の城陽酒造の濁り酒と梅酒(辛口)


梅林と竹林を抜け、ザ・ラスト・サムライで、ハリウッド俳優に、乗馬を指導したという人のいる乗馬クラブの話をしていると、間もなく、こんもりとした、森があらわれた。ここが、次の目的地、旦椋神社だ。
まず、紅葉樹と檜の2種類の天然木の間に、今まで見た事のない形の注連飾りがしてある。何キロも離れていない地域なのに、さきほどから、それぞれの神社によって、独自の注連飾りが、なされている。世の中、均一化されていると言われる中にありながらも、それぞれの伝統文化が残っているのである。
明治時代、天皇制に復活し、神道や神社の地位が高まったが、同時に、ある種のマニュアル化が進み、それぞれの神社の持っている伝統の祀りや文化を失った所が多い。多くの祭りや、地域伝承は、その時失われたと言う。そのような歴史を経ている神社の歴史の中で、独自の伝統を守っているという事は珍しい。
その日は、正月三が日という事で、本殿を拝む事が出来た。通常は、防犯の関係で、カギをかけて入れないのだが、年に数回、一般に解放しているという。今日は、たまたま、開いていたのだ。なお、ここの本殿も文化財の指定を受けている。


旦椋神社 奥に拝殿が見える


変わった注連飾り


自転車は、さらに北に向かう。交通量が増え、街が開けてきた。古い木造家屋の間に、流行りの南欧風の建物も建設中なのが見える。
スーパー平和堂の隣に、またもや、小さな森があり、そこが、荒見神社である。このあたりの神社と同様、能舞台があるが、ここは、境内のど真ん中にあって、立派に見える。奉納された酒樽がずらりと並び、今までの田舎神社にくらべ、華やかな雰囲気がある。
酒樽の中に「春鹿」の樽があった。この酒蔵は、もともとは、奈良の春日大社が作っていたそうだが、明治時代に酒蔵が独立して出来たという。酒は、神事に欠かせないものなのだ。


荒見神社


春鹿の酒樽


案内をしてくれている、友人が、なんやら、絵馬の所に居着いている。彼は、絵馬を見るのが好きだと言っていたが、ここの絵馬はまた一風変わっている。それは、一部の絵馬が逆さに吊るしてあるのだ。逆さに吊るされた絵馬には「厄」と大きく書かれていて、厄よけの絵馬なのである。これは実に珍しい。


逆さに吊るされた「厄」と書かれた絵馬


その絵馬の近くに小さな茅葺きの祠があった。屋根にはコケが生え、近いうちに、補修か葺き替えが必要だろうと、彼は言っていた。この小さな祠でも、2000-3000万円はかかるそうだ。彼の高神社が葺き替えをした時は、5000万円以上もしたそうだ。田舎神社らすけば大変な値段である。彼も、神職では食えないために、別に仕事をしながら、神社を守っている状態で、5000万円はとてもきつい。文化財ということで、補助金をもらって、どうにか出来たそうだ。しかも、京都、奈良に挟まれて、競合する有名な神社仏閣が多く、地元の神社でなく、電車や車で、有名な神社に行かれてしまう。その中で無名な田舎神社を維持するのは大変だ。
彼は、自分の自転車好きを生かして、自転車神社にすることで、特徴づける事で、生き残りをかけようとしている。
平和堂の中で一服し、テナントの酒屋で、城陽酒造の酒を買って、山城多賀方面に向かい帰途についた。彼の家に近付くと、ちょうど、電車の時間だったので、そのまま、電車に乗り込んだ。
なかなか、赴き深い、田舎神社の参拝サイクリングだった。

そ、そういや、肝心の高神社に行ってないやんけ。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004.08.15 21:22:14
コメント(2) | コメントを書く


お気に入りブログ

・・ 野山ですごす… りおじーにょさん
ゴーヤ泡盛の野毛日記 ゴーヤ泡盛さん
ヅ+の日記 art-labヅさん
アジアン雑貨屋店主… エナエナさん
しみずきみひとの楽… Shimmy0603さん
小島トモオス 小島トモオスさん
新・さすらいのもの… さすらいのもの書きさん
新川てるえの家族の… 新川てるえさん
繁盛請負人ばんたか… 繁盛請負人ばんたかおさん
ヘンかわおいしいお… artlabova-goodsさん

コメント新着

サイド自由欄

設定されていません。

バックナンバー

・2024.04
・2024.03
・2024.02
・2024.01
・2023.12
・2023.11
・2023.10
・2023.09
・2023.08
・2023.07

© Rakuten Group, Inc.