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テーマ:著作権(161)
カテゴリ:「個」「孤独」「群」「共同体」
国により、通貨の価値はかなり違う。いわゆる先進国では、なんでもない金額でも、国によっては、何十倍の価値を持ってしまう。たとえば、日本での100円が、いわゆる途上国では、5000円の価値になったり、一日分の労働対価になったりする。
そのような状況で、いわゆる途上国がIT化しようとした場合、ネックになるのが、ソフトウェアの値段である。 たとえば、Microsoft WindowsXPが、日本では1万円そこそこだとして。いわゆる途上国では、感覚的には50万円とか100万円となる。ましては、Adobe Photoshopなら、500万円から1000万円という感覚になる。 Photoshopは、日本でさえも、貧乏クリエイターには、買うのが辛く、OSXでは動かなくなる事を危惧し、バージョンアップの費用が出せなくて、古いMacを使って凌いでいる。 Adobeも、さすがに、手を焼いているようで、低価格のパッケージ「」を最近リリースした。 しかし、実際は、秋葉原などにいきなり現れる人から不正コピーのCD-ROMを買って使っている人も多い。 日本でもそのような状況なのに、いわゆる途上国では、もっと深刻である。 そのおかげで、インドネシアなどでは、一枚日本円にして260円ぐらいで、不正コピーのソフトが販売されている。 この260円でも、彼らからすれば、日本での1万2.3千円の価値になる。 このように不正コピーが出回るわけだ。 これは、いわゆるPCソフトウェアだけでなく、音楽やビデオなどにもいえている。 いわゆる途上国が発展し、いわゆる先進国になる過程で、WTOに加盟する。 WTOに加盟すると、知的財産権を含め、多くの他の国の法律が適用されてくる。この時、現地では、法外に高い、ソフトを買わなくてはいけなくなるのである。ましては、賠償訴訟になると、目が何度も飛び出るような金額が請求されることになる。 このような現実を見てしまうと、いわゆる途上国向けに知的財産権など情報リテラシーの授業の指導者は、とても、申し訳ないという気持ちになってしまう。 もちろん、こういう決まりだと言い切ってしまって、Microsoftの手先だと思われても良いのだが、実際に現地に行って、人と接してしまうと、経済的な南北格差が身につまされてしまったという。 知的財産権は、いわゆる先進国主導で進んでいる面が多いが、知的財産が世界で有効に活用されるためには、それぞれの国の事情にあった、ライセンスの方法が必要であろう。 いわゆる途上国において、OSに関しては、Linuxのような、オープンソースのものを導入することで、解決するケースが多い。IBMなど、大手のPCメーカーも中国向けはLinuxベースとなっている。 Microsoftも、タイからの要望を受けて開発された、WindowsXPの機能を減らしたものを、タイ国内向けに作っているという。そして、このOSを、いわゆる途上国向けに展開しようとしているという噂もある。 これからは、自らの知的財産権を有効に行使するために、利用者の実情に合ったライセンス方法をとる事が、主流になる予感もある。 さて、どうなることやら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.08.12 03:26:07
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