P-Blog アイデア&インプレッション

2004/08/11(水)13:37

水害の現場に行く

「個」「孤独」「群」「共同体」(128)

ここ数日、ここタイ東部のプラチンブリー県では、夜中に大雨が降っている。そのために、ところどころに洪水が起きているという。 今日は、朝から、地域の住民が子供と公園の清掃をするという所を撮影する予定だったのだが、ムエタイのテレビ放送のために、人の集まりが悪かったこともあり。予定を変更して、先に、洪水の被災地の撮影に行くことにした。 普段は、水牛が寝転がっているところが、増水し、すべて水浸しになっている。 道路を走っていると、昼間だというのに、対向車がハイビームでライトを点灯している。どうも、あそこの道路が浸水しているらしい。タイ人は、大音量に慣れているためか、危険を相手に知らせるのに、ライトを使うことが多い。 車内は緊張感が走る。徐行しながら、浸水している地点を通り抜ける。ここは、T字路になっていて、幹線から分かれている道が、堤防のように水をさえぎっているために、上流の土地から水に水がたまり、そして溢れているのだ。 水量も半端ではなく、横に行く道は、まるで、川にある小さなダムのように、なっている。 そして、道路には、魚が流れていたり、みみずが土の中にいられなくなって、出てきていたりする。 車は、さらに進むと、多くの人が集まっている場所があった。そこは、家に水が浸水しているのだ。 運転手が、村の人に、聞き込みをする。そうすると、いま、村人が、集まって、作業をしている所があるという情報を得た。 村人のバイクに先導されて、川沿いの舗装こそされていないが、そこそこ、新しい道路を走る。前方に、車やバイクが停まっていて、なにやら作業をしているところが見えた。 カメラと三脚を持って、近づいてみる。 道路が分断されて、すごい勢いで水が流れている。 この道は、あるプロジェクトに関係した灌漑設備のために作られた道路だったのだが、この地区は、もともと、水没しやすい地域だったので、雨季になっても、水に浸からず、車が走りやすいように、高く土を盛ったものになっている。 しかし、そのために、夜の大雨が数日続いたことで増水した水が堰きとめられてしまい、村が水没する可能性が出てきたのだ。 村人たちは、意を決して、交通の遮断を覚悟で、道路を約二メートルほど、切り崩し、水没しそうな村のほうから、川の方に水が流れるようにしたのだ。 今、目の前で、二人の男性が、道を切り崩している。かなり、きつい作業のようだ。まわりにも、たくさんの男性がいたのだが、おそらく、それまでの作業をしていた人たちのようだった。 道を切り崩して、できた、水路には、すごい勢いで水が流れている。ここにはまったら流されてしまうだろう。本当に危険な作業のようだった。 そこでの撮影が終わり、一昨日撮影した、増水対策をした道路に向かう。一昨日は、道路のしたの湿地帯も少し乾いていた所もあったので、そこに降りて、道路の下に作られた、土管を撮影した所だ。ここは、住民の話し合いによって、計画され実施された所だ。 同じ道を、いったん戻って、その場所に行こうとすると、さっき通った、道路際の小さな売店が、浸水していた。たった、30分そこらで、まるで状況が変わる。 水害のスピードの速さは、恐ろしいと感じた一瞬だ。さきほどの作業は、一刻もゆるさ

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