石州半紙の作り方1. 原料(楮)栽培 石州和紙の原料は、楮・三椏・雁皮。 楮・三椏は地元で栽培されたものを使用。 雁皮は野生のものを使用。 ※石州楮でつくられた石州和紙は最も強靭な和紙である。 2. 原木刈り切り 原木の刈り取りは12月か1月に行い、鎌で斜めに切る。 刈り取った原木は、1mくらいに揃え「押し切り」にて切る。 3. 原料蒸し 「せいろ蒸し」の方法で蒸気によって蒸す。 そうすると、木芯と表皮が剥がれやすくなる。 4. 原木剥ぎ 片方の手で原木、もう片方で表皮を持ち、足に挟んで先が筒状になる方法で剥ぎ取る。 5. 黒皮乾燥 剥いだ黒皮は束にして、自然の風に当てて乾燥。 十分に乾燥した後は、貯蔵。 6. 黒皮そぞり 黒皮を半日ほど水に浸け柔らかくする。 そぞり台の上にのせ、包丁によって一本一本ていねいに表皮を削る。 楮の場合は、強靭さを出すために表皮と白皮の間のあま皮部分は残す。 7. 水洗 そぞった白皮を清水の中で丁寧にふるい、不純物を洗い流す。 8. 煮熟 煮釜に水を入れ、水量に対し12%のソーダ灰を入れる。 沸騰したら、原料をほぐしながら入れる。 30分ごとに上下にむらができないようにひっくり返す。 2時間ほど煮て、それから蒸らす。 9. 塵取り 煮終えた原料を清水の中で一本一本付着している塵などを丁寧に取り除く。 楮の場合は、灰汁抜きをしながらこの作業を行う。 10. 叩解 硬い木盤の上に原料を乗せ、樫の棒で入念に叩き繊維を砕く。 石州では「六通六返し」の方法で行っている。 ※「六通六返し」とは、左右六往復、上下六回返す方法。 11. 抄造(棒まぜ) 漉き舟に水と紙料・トロロアオイを入れ、まぜ棒によって均等に分散させる。 ◆石州和紙の三つの工程◆ 数子(かずし)・調子(ちょうし)・捨水(すてみず)の三段階が基本の工程。 12. 数子 素早く漉き舟の紙料をすくい上げ、簀全体に和紙の表面を形づける。 13. 調子 紙料を比較的深くすくい上げ、前後に調子を取りながら、繊維をからみ合わせ和紙の層をつくる。 この回数によって厚さが異なってくる。 14. 捨水 目的の厚さになったら、簀の上に残った余分な水や紙料を一気にふるい捨てる。 15. 紙床移し 漉き上げられた簀の上の和紙は水を切る。 紙床台へ移動し、 台の上に一枚一枚重ねていく。 16. 圧搾 漉き上げられた紙床は一晩放置。 圧搾機によって徐々に圧をかけながら絞っていく。 17. 紙床剥がし よく絞られた紙床を一枚位一枚剥がす。 18. 干板貼り 剥がされた湿紙を刷毛を使い、銀杏の干し板に貼りつける。 19. 天日乾燥 貼り終えた干し板を天日で乾燥させる。 徐々に和紙に張りが出て、腰のある美しい和紙に仕上がる。 20. 選別 乾燥された和紙を一枚一枚手にとって入念に選別。 厚さ、むら、破れ、傷跡、塵などを取り除く。 21. 裁断 選別し終えた和紙は、用途別に裁断を行い和紙製品となる。 様々な工程を経て、一枚の紙が出来上がるんですね。 逸品というに相応しい品物。 心を込めて使いたいものです。
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