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カテゴリ:恋愛
フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco Goya (1746-1828) 1.幸福は、遺伝子にとって利益となるが 人間にとっては幻想にすぎない。 幸福を求めるレ-スに終わりはない。 なぜなら、どんな幸運にもすぐになれてしまうからである。 すぐに曖昧な感情に戻ってしまうからである。 実は、次から次へとの幸福を求めてしまうのは 人が遺伝子の命令に逆らえないからなのである。 幸福には、満足感がないのである。 1976年、エリヴィス・プレスリ-は数百万ドルを稼ぎ出した。 しかし、彼は収入を上回るスピ-ドで金を使うようになり 気がつけば借金生活に陥っていた。 この年プレスリ-は、ピ-ナッツバタ-とバナナの 朝食1回に3万5千ドルを費やした。 彼はこの粗末な食事のために友人をジェット機で送り迎えをしたのである。 これは笑い事ではない。彼の浪費ぐせや 贅沢病は彼の遺伝子がそのようにし向けるからだ。 金も食べ物も、あるものは全て消費するようにと。 なぜなら目の前に人参をぶら下げられた馬と同じように 走り続けるのが遺伝子の利益となるからである。 2.10万年前、東アフリカで18000人の中の一人の女が、 我々人間の祖先であるが、我々の遺伝子は当時と同一のものである。 当時の遺伝子がそのまま、現在の環境の中で我々に命令をする。 この命令に従ってきたからこそ、1万8千人の人口が、50億人になった。 10万年前のアフリカでの生活は、常に食料不足で、 他の動物を獲物とする狩猟生活をしていた。 冷蔵庫がないから保存出来ない肉は早く食べておかなければならない。 いつもかも慢性的な食料不足で、たまに大量の肉が手に入っても 腐る前に、できる限り食べておく必要があった。 消費こそが最大の美徳であった。 そして遺伝子をより多く残せたものは、現地にとどまって 危険を冒さなかった者ではなく、 食料を求めて草原を離れて移動した者であった。 彼らは、5万年という年月をかけて新大陸、 オ-ストラリア、世界各国へと渡っていったのである。 結局、リスクを冒しても、より多くの食料を確保したものが、 より多くの子供を残すことができたのである。 この食料が金に換わったのが現代の我々である。 肥満で心臓病、高血圧、糖尿病になっても食べ続け、 借金をしても贅沢をする。 地球が滅びようと、他の動物が滅びようと関係がない。 せいぜい200人から300人の集団のことしか考えられない。 頭の配線が、このようにできているのだ。 利己的遺伝子の飽くなき欲望の追求が、 現代の人間の姿である。 3.妊娠した母親と胎児は利害が対立する場合がある。 胎盤を通じて母親から栄養を吸収しようとするとき、 母親は無制限に、胎児に栄養を与える訳ではない。 必ずストップがかかるのは、次に身ごもる子供への栄養を 多少備えておく方が、母親遺伝子にとって有利だからである。 この栄養を巡って母親と胎児の間に争いが起こる。 胎児は、ホルモンを出して母親の血管を広げようとする。 血流が増えると栄養をより多く吸収できる。 母親はこれに対して、インシュリンを分泌することで応酬する。 母親が糖尿病を発病するのはこの事情があるからである。 そして、胎児が生まれれば糖尿病は治る。 母親と胎児でも利害は対立するのである。 胎児の遺伝子の半分は父親のものだから、 母親の利己的遺伝子は、生まれる前から次の子供の用意をするのである。 4.母親が嬰児を殺す動機は、子供を養うことができないばあいが ほとんどの動機である。 多くの文化において、赤ん坊を生かすか殺すかは母親の裁量に 委ねられてきた。 しかし、実の両親に殺される子供の数は、アメリカ人1年間、87789人の子供殺しの 100分の1である。 児童虐待は継父、継母によるものが、ほとんどである。 自分の遺伝子以外に対しては、利害が絡み、投資が回収出来そうもないとき 冷酷な扱いをするのも人間の本性である。 つづく http://www.blogmura.com/ にほんブログ村ランキング・ランクin! アイデア生活館 http://koyo.tsubomi.net/idea http://koyo.tsubomi.net お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 8, 2005 06:49:40 AM
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