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little island walking,

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2004/06/05
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カテゴリ:カテゴリ未分類

  「初恋っていつでした?」
  「中学校くらいだったかな」
  「ちゃんと気持ち伝えられました?」
  「いや、何もできず終わったよ。そんなもんだろ?」
  「で、失恋とかして、死のうとか思いましたか」
  「なんで思わなきゃならんのだ?」
  「俺は思いましたよ」
  「……そんなんだからいっこうにろくでもない人間なんだよ」
  「……そうっすね」

 そんな初恋も、しだいに色褪せていった。恋をどうこうするにはまだ幼過ぎたし、だいたいが熱のせいで、学校に行ったり行かなかったりの日々の中で、彼女にちょっかいを出すことだって不可能な話だった。隅の机で見つめていた彼女は、他の男子にちょっかいを出されていた。お人形さんは、僕に見向きもしなかった。
 僕と、霖の関係が、他のやつらに誤解をされることはなかった。会うときはいつも僕の六畳間だったし、学校にいるときは本当に少しの会話をするだけで、僕らが親しいことも、クラスのやつらや、先生は知らなかったと思う。
 そのとき、僕らのなかで、霖の母親のことは自然とタブーになっていた。
 話すことといったらテレビの話や、マンガの話だった。お互いが自分の好きな作品について語った。まともな会話でもなかったように思う。少女マンガと少年マンガの垣根はなかなか飛び越えられない。けれども、たまに本の交換をしたりして読むこともあった。
 そう、僕は彼女をまったく意識していなかったのだ。
 それが、あの瞬間に一気に崩れてしまった。僕は見てはいけないものを見てしまったのだ。





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最終更新日  2004/06/13 01:02:40 AM
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