タテ割り金融
私どものような会社が公的支援を受けようとすると、相手方は経済産業省系機関と農林水産省系機関に分かれます。島根県で言うと、商工労働部と農林水産部。市町村でも組織は大概分かれています。で、支援と言っても様々あります。先日大阪で開催された健康食品開発企業とのビジネスマッチング事業は島根県(商工労働部)主催でした。一方で農家と農家、または農家とバイヤーとのマッチング事業は、農林系の支援機関が主催します。補助金もあります。これは完全にタテ割になってまして、土作りや有機農業などは農林。食品の機能性の検証などは商工。といったように分かれています。金融も、農林中金・商工中金といった具合いに支援機関自体が分かれています。こういう状況下で、弊社のような外見は健康食品製造販売業な農家は、戸惑うことがあります。まさに今、困ってます(笑)中小企業向けの金融支援策に信用保証協会による保証制度というのがあります。担保のない中小企業でも、信用保証協会(公的機関)に保証料を支払うことで債務保証をしてくれ、しかも低利の制度融資がいろいろ用意されている、という素晴らしく有難い制度です。これによって、弱小な中小企業でも銀行から低利で借入れすることができるのです。私も商工労働部勤務時代は、この制度の活用をお勧めしていました。ところが・・・中途半端に知っている者がハマる罠アリ・・・。最近、弊社の経営状況は、なんとか安定して来ました。経営者としてはホッとする半面、そろそろ次なるチャレンジをしたい頃合です。で、チャレンジするにあたって、この信用保証協会の保証付融資を受けようと思ったのです。融資の申し込み先である銀行との話は極めてスムーズに進み、(迂闊にも)安心していた矢先・・・・信用保証協会から×が出たのです。債務超過なわけではありません(笑)そう、前振りのとおり。農業は信用保証協会の支援対象外だという×なのです。「いやいや、農業っつっても農業ベースの加工・販売業ですから・・・」「では、融資金が全て農業外であることを証明してください。」「それは無理です。主な使途は研究開発で、農業と表裏一体のものですから。」「証明できなければ、協会としての保証はできません。」むぅ・・・もう、ここまで言われるとグゥの音も出ません。お役人さまぁ~~今まで何人の農家が涙を呑んで来たことでしょう。無念さを堪え、協会の保証を受けることは断念せざるを得ませんでした。この話は、信用保証協会への愚痴ではありません。私も半年前までは公務員の端くれでした。理屈は良くわかります。制度(法)で決められたことは、必ず守られなければならない。保証協会さんは法に則って回答しているに過ぎず、この回答が正しいのです。愚痴を言う相手は保証協会ではなく国会、ひいては主権者でもある自分自身なのかも知れません・・・。タテ割りなのは良く知っていたはずのこと。そりゃあ、それに気付かずにいた私が悪いのさ。うん。タテ割りだもんな。タテ割り・・・・。うん?!タテ割り!?良く考えたら・・・これだけタテ割りなんだから、農業用の保証協会だってあるはずじゃないか!?知らないけど。そう思って調べたら・・・やっぱりありました。その名も農業信用基金協会!!スゴイぜタテ割り行政!ありがとうタテ割り行政!まあ、現段階では見つけたというだけで、保証してもらえる保証はありません。タテ割りの、いろんな意味でのスゴさを公表したかっただけです。やっぱりダメだったということも考えられます。ひょっとすると、「商工業への使途がないことを証明せよ」と言われるかも。