「枕草子(まくらのそうし)」を研鑽-209
「人生の無情など深くは分からない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。亡くなった殿(道隆)の追悼のために、中宮様は毎月十日、お経を唱えて供養なさっていたのを、九月十日は職の御曹司で行われる。上達部、殿上人とても多い。清範(せいはん)が講師で、説くことがとても悲しいので特に人生の無情など深くは分からない若い女房たちも、みな泣くようである。供養が終わって、酒を飲み、詩を吟じたりなどする時に、頭中将の斉信(ただのぶ)の君が、月秋と期して身いづくにか。月は秋になるとまた照るが月を愛でた人はどこに去って行ったのだろうということを声に出して吟誦なさったのは、大変素晴らしかった。