Dog photography and Essay

2022/01/22(土)19:39

「蜻蛉(かげろう)日記」を研鑽-16

蜻蛉(かげろう)日記(284)

「浜千鳥が浦から離れないように」 「Dog photography and Essay」では、 愛犬ホープと歩いた道と「愛犬もも」との物語を公開してます。 あの人はいつも私を無視するわけではなく時々訪ねて来て冬になった。 ふだんの生活ではただ幼い我が子の道綱を可愛がっているだけだ。 いかでなほ あじろのひお にこととはむ 何によりてか われをとはぬと 何とかして網代(あじろ)の氷魚(ひお)に聞きたい、どういうわけであの人は、 わたしを訪れてくれないのかと拾遺集雑秋の古歌が、思わず出てくる。 時が経つのは早いもので、また明けて春が巡って来た。 あの人は最近読もうと持ち歩いている書物をわたしの所に忘れていった。 やはり使いの者を取りに寄こしたので書物を包んだ紙に歌を書いた。 ふみおきし うらも心も あれたれば 跡をとどめぬ  千鳥なりけり これまでは書物を置いていかれたのに、二人の心がお互いに、 冷めてしまったのか、浜千鳥が荒れた浦に足跡を残さないように、 あなたばかりか書物さえも私の家に残しておかれないのですね。 心あると ふみかへすとも 浜千鳥 うらにのみこそ 跡はとどめめ 私の心が冷たくなったと書物を返しても浜千鳥が浦から離れないように、 わたしは貴女の所に留まっているよ、ほかに行く所などないからさ。 わたしは、あの人へ恨みを表すような和歌を返した。

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