2022/01/22(土)21:07
「蜻蛉(かげろう)日記」を研鑽-284
「母の思い出にひたっているうちに」
「Dog photography and Essay」では、
愛犬ホープと歩いた道と「愛犬もも」との物語を公開してます。
今年は天候がひどく荒れる事もなく、雪が二度ほど降っただけである。
道綱の元日の装束や、馬寮の白馬を天覧の後、群臣に宴を賜わる儀式の
節会に着ていく物など整えているうちに、大晦日になってしまった。
明日の元日の引出物にする布地を、折ったり巻いたりするのを
侍女たちに任せたりして、考えてみると、このように生き長らえて
今日まで過ごしてきたのもあきれるばかりである。
御霊祭などを見るにつけても、例年のように尽きる事のない
母の思い出にひたっているうちに、今年も終わってしまった。
ここは京のはずれなので、夜がすっかり更けてから追儺の人たちが
門を叩きながら回って来る音が聞こえる。
追儺(ついな)とは、大晦日の日に悪鬼を追い払う行事のこと。