2020/01/19(日)13:51
「枕草子(まくらのそうし)」を研鑽-132
「紐が風に吹かれてなびいている」
「Dog photography and Essay」では、
「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。
優艶(上品で感じがよくて美しい)なもの。ほっそりとして美しい
貴公子の直衣姿。可愛らしい童女が、うえの袴わざわざはかないで
脇を多く開けた汗衫(かざみ)だけを着て、卯槌、薬玉などを腰につけて
飾り糸を長く垂らし、高欄の所などに、扇で顔を隠して座っている姿。
薄様の草子。柳が芽吹いた枝に、青い薄様に書いた手紙をつけてあるもの。
三重がさねの扇。五重がさねの扇は、厚くなって、手元などが醜い感じだ。
とても新しいわけでなく、ひどく古びてもいない檜皮葺の家の屋根に
長い菖蒲をきちんと葺き並べてあるとき。
青々とした簾の下から、几帳の帷子(かたびら)の朽木形(くちきがた)が
とても艶々として、紐が風に吹かれてなびいているのは、とてもおもしろい。
白い組み紐の細いもの。帽額(もこう/幕)の鮮やかなもの。簾の外や高欄の
辺りにとても可愛らしい猫が、赤い首綱に白い札がついているとき。
重りの紐や組糸の長いのをつけて、それを引っ張って歩くのもおもしろく
優美である。 五月の節会のあやめの女蔵人(にょくろうど)。髪に菖蒲の
鬘(かずら)をつけ、赤紐のような派手な色でない紐をつけて、領布(ひれ)
裙帯(くたい)などをまとって、薬玉を親王たち上達部が立ち並んで
いらっしゃるのにさし上げるのは、たいそう優艶だ。