2020/02/18(火)15:25
「枕草子(まくらのそうし)」を研鑽-162
「やはりこのお方に匹敵する人はいない」
「Dog photography and Essay」では、
「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。
姫君たち(中宮と淑景舎)の素晴らしいご様子を微笑みながら、例によって
冗談をおっしゃっている。淑景舎がとても可愛らしく、絵に描いたように
座っていらっしゃるのに対して、中宮様はとても落ち着いてもう少し
大人びていらっしゃるお顔のご様子が、紅のお召物に輝き映えている。
やはりこのお方に匹敵する人はいないだろうと思われる。
朝のお手水(手や顔を洗い清める水)をさし上げる。あちらの淑景舎の方の
お手水は、宣耀殿(せんようでん)、貞観殿(じょうがんでん)を通って
女童二人、下仕え四人で持って来るようだ。
唐廂(からびさし)よりこちらの登華殿(とうかでん)に寄った廊に女房が
六人ぐらい控えているが、廊が狭いので、半分は淑景舎をお送りしてから
みな帰ってしまった。童女の桜襲(さくらがさね)の汗衫や、その下の萌黄色
紅梅色などの着物が素晴らしく、汗衫の裾を後ろに長く引いている。
お手水を取り次いでさし上げるのが、とても優美でおもしろい。
織物の唐衣(からぎぬ)が御簾からこぼれ出ていて、相尹(すけまさ)の
馬頭(うまのかみ)の娘の少将、北野宰相の娘の宰相の君などが廊近くにいる。