2021/09/08(水)19:09
屋根は白銀を葺いたよう
「氷柱は水晶の滝が掛け渡して」
「Dog photography and Essay」では、
「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。
屋根は白銀を葺いたようで、氷柱は水晶の滝などと言いたいような、
長いのや短いのが、わざわざ掛け渡しているように見えて、とても
言葉では言い尽くせないほど素晴らしく感じた。
下簾(すだれ)も掛けない車が、簾をとても高く上げてあるので、車の奥まで
差し込んでいる月の光に、薄紫、白いもの、紅梅など、七、八枚ばかり
着ている上に、濃い紫の表着の鮮やかな光沢が、月に映えて美しく見える。
そのかたわらに、葡萄染の固紋の指貫に、白い単衣をたくさん重ね、山吹色や
紅の衣などを外にこぼれるように着て、直衣のとても白い紐を解いており
直衣がはだけて下に垂れ、その裾が車からひどくこぼれ出ている。