2023/02/19(日)12:22
紫式部日記 池に降りられるよう造ってある階段の欄干を押さえ
「中宮の大夫は座って」
「Dog photography and Essay」では、
「愛犬もも」と「紫式部日記」の研鑽を公開してます。
仏事が終わり、殿上人たちは舟に乗り、次々と漕ぎ連ね管弦の遊びをする。
お堂の東の端の北向きに押し開けてある戸の前に、池に降りられるよう
造ってある階段の欄干を押さえるように、中宮の大夫は座っておられる。
殿がちょっと中宮さまの所へ行かれたときに、宰相の君が中宮の大夫の
話し相手をして中宮さまの前でもあり、打ち解けないように気を、
付けている様子など御簾の内も外も趣のある雰囲気である。
月がおぼろに出て、若々しい男たちが、今様歌(当時流行の俗謡)を歌うのも、
彼らは皆上手く舟に乗ることができて、若々しく楽しく聞こえるが、
大蔵卿(藤原正光五十三歳)が、その中に年甲斐もなく入って、さすがに
若い人たちに一緒に歌うのも気がひけるようにもみえる。