2023/07/18(火)10:08
徒然草/百十六段の一/百十七段の一 昔の人は少しも趣向をこらさず
「見慣れぬ文字を使うのは」
「Dog photography and Essay」では、
「愛犬もも」と「徒然草の101から150」の研鑽を公開してます。
百十六段の一
寺の名前やその他の物でも、名を付ける事を昔の人は少しも趣向をこらさず、
昔の人は少しもただありのままに、分かりやすく付けたのである。
最近は、深く考え込み、自分の知識や才能を見せつけようとしているようで、
知性をみせびらかそうとしているように思われるのは、煩わしく嫌な感じだ。
人の名前も、見慣れぬ文字を使おうとするのは、読みにくいだけで、
無益なことであり、何事でも、珍しい事を求めて、奇抜なものを好むのは、
浅はかな才知を持つ人が必ずやる事だと言われている。何事も珍しい事を
求め、奇抜な説を好むのは、教養の無い人が必ずやる事である。
百十七段の一
友とするのに悪い人が七つあり、一つ目は、身分が高くて高貴過ぎる人。
二つ目は、若い人。三つ目は、病気知らずで身体が強い人。四つ目は、
酒を好む人。五つ目は、気が荒くて勇敢な兵士。六つ目は、嘘つきな人。
七つ目は、欲深い人である。良き友には、三つの人がある。一つ目は、
物をくれる友。二つ目は、医師の友人。三つ目は、知恵のある友である。