2023/11/16(木)13:18
徒然草/二百四十一段の二 誰しもこのままずっと平穏無事だろうと
「病気も重くなく死なない」
「Dog photography and Essay」では、
「愛犬もも」と「徒然草の201から243」の研鑽を公開してます。
二百四十一段の二
しかし、まだ病気も重くなく死なない程度だと、誰しもこのままずっと
平穏無事だろうと思い込むもので、もっと色々な事をしてから、老後にでも
静かに仏道を修めるとしようなどと思っているものだ。
病を重くして死に臨む時には、仏道の願いなどはまだ一つも成せていないと
語るのも虚しく、ただ年月の怠惰(たいだ/なまけてだらしない)を悔やみ、
もし病が治って天寿を全うできるなら、昼夜を問わずに、この事、あの事、
すべて怠りなく行う所存ですとか言う。
しかし、やがて病気は重症化していき、自我を見失って取り乱したままで
亡くなってしまう。このような事が多く、この事をまず、人々は急いで
心に刻むべきなのだろう。俗世での願望を果たした後で、暇があったら
出家したいものだというのでは、世俗的な欲が尽きるはずもないのだ。