Dog photography and Essay

2024/05/06(月)12:39

源氏物語〔桐壺2〕

紫式部と源氏物語(57)

源氏物語〔桐壺2〕 「Dog photography and Essay」では、 「愛犬もも」と「源氏物語1話桐壺」の研鑽を公開してます。 どの天皇様の御代であったか、女御(にょうご)とか更衣(こうい)とかいわれる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深い御愛寵を得ている人があった。最初から自分こそはという自信と、親兄弟の勢力に頼む所がある宮中にはいった女御たちからは失敬な女としてねたまれた。その人と同等、もしくはそれより地位の低い更衣たちは嫉妬の怒りを燃やさないわけもなかっ た。 夜の御殿の宿直所から退る朝、続いてその人ばかりが召される夜、目に見て耳に聞いて口惜しがらせた恨みのせいもあったからだが弱くなって、心細くなった更衣は多く実家へ下がりがちということになると、いよいよ帝はこの人にばかり心をお引かれになるという様子で、人が何と批評をしようともそれに遠慮などというものは起きては来ない。 歴代天皇の徳を伝える歴史の上にも暗い影が残るようなことにもなりかねない。高官たちも殿上役人たちも困り、お目覚めになるのを期しながら、当分は見ぬ顔をしていたいという態度をとるほどの御寵愛ぶりであった。唐の国でもこの種類の寵姫、楊家の楊貴妃の出現によって国が弱くなったといわれる。今やこの更衣女性が一天下の煩いだとされるに至った。

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