Dog photography and Essay

2024/05/12(日)13:52

源氏物語〔桐壺8〕

紫式部と源氏物語(58)

源氏物語〔桐壺8〕 「Dog photography and Essay」では、 「愛犬もも」と「源氏物語1話桐壺の研鑽」を公開してます。 桐壺更衣が死ぬのであったらこのまま自分の傍で死なせたいと帝は考えたが、今日から始めるはずの祈祷も高僧たちが準備をしていて、それも必ず今夜から始めねばというようなことも申し上げて方々から更衣の退出を促すので、別れがたく思いながらお帰しになった。帝は悲しみで一杯になって中々眠ることができなかった。 帰った更衣の家へ文を書いたが使いはすぐ帰って来るはずがなかなか帰って来ない。使いが持ち帰った文に返辞それすらも書くことが出来ないでいた。更衣からの返辞を聞くことが待ち遠し いと仰せられた帝であるのに、使いは、夜半過ぎに桐壺更衣は、お亡くなりになりましたと言って、故大納言家の人たちの泣き騒いでいるのを見ると力が抜け落ちてそのまま御所へ帰っ て来た。 更衣が亡くなった知らせを受けた帝の悲しみは大きく、そのまま引きこもっておいでになった。 その中でも忘れがたみの皇子はそばへ置いておきたく思ったが、母の忌服中の皇子が、穢れの多い宮中においでになる例などはないので、更衣の実家へ退出されることになった。 皇子はどんな大事があったとも知らず、侍女たちが泣き騒ぎ、帝のお顔にも涙が流れてばかりなので不思議に感じているふうであった。

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