Dog photography and Essay

2024/06/30(日)10:20

源氏物語〔2帖帚木 ははきぎ30〕

紫式部と源氏物語(65)

源氏物語〔2帖帚木 ははきぎ30〕 「Dog photography and Essay」では、 「愛犬もも」と「源氏物語2帖帚木の研鑽」を公開してます。 源氏の手紙を弟が持って来たが、弟がどんな想像をするだろうと苦しんだが、弟は手紙を読むつもりであり、きまりの悪さを隠すために顔の上で手紙をひろげた。女は手紙を読むに連れ呆れて涙さえも零れて拭っていた。さっきから体は横にしていたのである。手紙は長かった。終わりに、見し夢を逢ふ夜ありやとなげく間に目さへあはでぞ頃も経にけると、眠ることができないほど貴女のことを想っていると添えてあるが、この時、女(空蝉)は、伊予介の妻で紀伊守の継母である。源氏から恋文をもらおうとも、付き合いは出来ないと思った。 手紙は目もくらむほどの美しい字で書かれてあり、涙で目が曇って、しまいには何も読めなくなり、苦しい思いをしていたが、新しく加えられた運命を思い続けた。翌日源氏の所から紫式部の同僚の小君(小少将の君)が召された。出かける時に小君は姉に返事をくれと言った。あのような手紙を頂くはずの人がないと申し上げればいいと姉が言った。間違わないように手紙を送って来られたのに、そんな返辞はできないと考えるが、秘密はすっかり弟に打ち明けられたようで、こう思うと女(空蝉)は源氏が恨めしくてならないと言うと、そんな事を言うものじゃない。大人の言うような事を子供が言ってはいげない。断わる事ができなければお邸へ行かなければいいと言った。 無理な事を言われて、弟は、呼び来られたのだから、伺わないわけにはと言って、そのまま行った。好色な紀伊守はこの継母が父の妻である事を惜しく思い、取り入りたい心から小君にも優しくしてつれて歩きもする。小君が来たというので源氏は居間へ呼んだ。昨日も一日待っていたのに出て来なかったね。私だけがおまえを愛していても、 おまえは私に冷淡なんだねと、恨みを言われて、小君は顔を赤くしていた。小君はありのままに告げるほかに術はなかった。おまえは姉さんに無カなんだね、返事をくれないなんてと、そう言ったあとで、また源氏から新しい手紙が 小君(小少将の君)に渡された。

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