Dog photography and Essay

2024/09/05(木)10:20

源氏物語〔6帖末摘花 1〕

紫式部と源氏物語(152)

源氏物語〔6帖末摘花 1〕 「Dog photography and Essay」では、 「愛犬もも」と「源氏物語6帖末摘花の研鑽」を公開してます。 源氏物語の第6帖末摘花は、光源氏の数多い恋物語の中でも異色の存在で、この巻は、源氏の恋の対象となる末摘花(すえつむはな)という女性との関係を中心に描かれている。末摘花は紅花と呼ばれ山形県の県花にも指定されている花だ。末摘花の鼻が赤くて長いことから、花の一部である「末摘花」に例えられた。源氏が、ある日の夕暮れ、桐壺の更衣の縁にゆかりがある一人の女性の存在を知ることになり、その女性は、六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)や葵の上(あおいのうえ)のような華やかな女性たちとは異なり、ひっそりと寂しい生活を送っている宮中の女性だった。源氏は彼女に興味を持ち、彼女の住む荒れ果てた邸宅を訪れることになった。 源氏は、訪問先で末摘花と出会うが、彼女は外見こそ決して美しいとは言えないものの、純粋で素朴な人柄であった。特に、その赤くて長い鼻は彼女の外見の特徴として描かれていて、それは当時の美的感覚からはかけ離れたものだったのだろう。源氏は彼女の容姿失望するものの、その内面の純粋さと高貴な生まれに惹かれ、彼女との関係を続けることにした。しかし、末摘花は非常に慎み深く、内気であり、源氏のアプローチに対しても慎重な態度を崩すことはなかった。物語の中で、源氏は末摘花を自分の邸宅に迎え入れるなど、彼女に対して誠実に接しているが、彼女は終始一貫して控えめな態度を貫いている。源氏もまた、彼女を自分のものにしようとする執念を燃やしつつも、彼女に対する扱いには注意深くなる。 その微妙な距離感を保ちながら関係を続けていくことになった。末摘花は、源氏物語全体の中でも特異な存在であり、他の女性たちとは一線を引く性質で、彼女の外見の特徴と、それにもかかわらず源氏が彼女に興味を持ち続けることは、外見だけでなく内面の美しさや高貴さが重要であるというメッセージを込めている。また、末摘花の巻は、源氏の女性観や恋愛における姿勢を深く掘り下げる物語としても位置づけられている。結局、源氏と末摘花の関係は大きな進展を見せることはなく、物語の終盤では源氏の興味も徐々に薄れていき、この巻は源氏物語の多様な女性像の一つを描き出す重要な部分となっている。

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