Dog photography and Essay

2024/09/06(金)10:20

源氏物語〔6帖末摘花 2〕

紫式部と源氏物語(152)

源氏物語〔6帖末摘花 2〕 「Dog photography and Essay」では、 「愛犬もも」と「源氏物語6帖末摘花の研鑽」を公開してます。 源氏の君は、夕顔を失った悲しみを、月日が過ぎ去っても忘れることができなかった。左大臣家にいる夫人も、六条の御息所も、非常に誇り高く、源氏が他の愛人をもつことを許すことができない難しい性格のため、彼女たちと接することは容易ではなかった。だからこそ、源氏は、気楽で自由な気持ちを与えてくれた夕顔を特に恋しく思っていた。源氏は、女性の身分があまり高くなく、気軽に付き合える女性を見つけたいと考えていた。源氏は、少しでも魅力的だと思われる女性にすぐに興味を示し、手紙を送って接近しようとする。すると、たいていの女性はすぐに好意を示してくれるが、源氏は逆にそのことに失望してしまい、条件に合う女性がいても、頭の良くない人や理性的すぎる人が多く、そうした女性たちは源氏に対して一時的に傲慢な態度を取ることがあった。 最終的には、傲慢な人を侮るような女性は、あまりにも自分に見合わないと感じ、のちに案の定つまらない男と結婚してしまうこともあった。そのため、頭の良くない女性や理性的すぎる女性は、話が途中で終わってしまうことも多くあった。源氏は時折、空蝉のことを思い出し、彼女に対して敬服する気持ちが湧いていた。また、軒端の荻にも、今でも時々手紙を送っていた。灯影に見た彼女の美しい顔を思い出し、彼女を愛人としてそばに置いておきたいと無性に思うことがあった。源氏の君は、一度関係を持った女性を忘れて捨ててしまうことはなかった。左衛門の乳母という女性がいたが、彼女は源氏に大切にされていた。その娘は、大輔の命婦という女官で、御所に仕えていた。彼女の父親は王氏の兵部大輔で、多情な若い女性だった。 源氏も宮中の宿直所で彼女を女房のように使っていた。左衛門の乳母は今、筑前守と結婚し、九州に行ってしまったため、命婦は父親である兵部大輔の家を実家として女官を務めていた。ある日、命婦が源氏に、彼女の姫君が孤児となって残されていることを話した。気の毒に思った源氏は、その姫君について詳しく尋ねていた。源氏の君の夕顔を失った悲しみは、月がたち年が変わっても忘れることができなかった。左大臣家にいる夫人や六条の貴女は、強い思い上がりがあり、他の源氏の愛人たちを寛大に許すことができない気難しさも持っていた。彼女たちが扱いにくい性格であったために、源氏はむしろあの気楽で自由な気持ちを与えてくれた恋人を懐かしんでいた。源氏は身分が低く、素直で、世間的にもあまり恥ずかしくない恋人を見つけたいと思い続けていた。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る