Dog photography and Essay

2024/09/24(火)22:50

源氏物語〔7帖紅葉賀 6〕

紫式部と源氏物語(180)

源氏物語〔7帖紅葉賀 6〕 「Dog photography and Essay」では、 「愛犬もも」と「源氏物語7帖紅葉賀(もみじのが)の研鑽」を公開してます。 紫の上は源氏に対し冷たく接していたが、しかし、夫人も源氏の魅力に抗えず、余儀なく返答している。夫人は源氏より四歳年上で、そのことを自分でも気まずく思っていたが、まだ美しく、源氏もそれを認めている。源氏は、自分の多情さが夫人に怨みを負わせる原因だと自覚し、夫人が高貴な家柄であることや、自分の立場に自負を持っていることが二人の溝を深めていると感じていた。この夫婦の間には感情のすれ違いがあり、左大臣もまた源氏の心を不満に感じつつも、源氏を愛しているため、歓待を尽くしていた。この夫婦とは、桐壺帝と藤壺を指しており、具体的には、桐壺帝が藤壺に対して抱く感情や関係性が焦点となる場面が多く、また、源氏の不満や複雑な感情は、彼自身が天皇と藤壺に対して抱く思いが根底にあり、それが物語に影響を与えている。 物語では、左大臣と光源氏の関係、そして藤壺と源氏の間で交錯する複雑な感情が描かれ、左大臣は、源氏に対して嫉妬や不満を抱いているものの、優れた才能や立場を認めざるを得ないという心情を抱いている。左大臣は源氏が娘・葵の上と結婚していることから婿としての関係を大切にしようとしていた。特に、源氏が正装して参内しようとしている時、大臣は石の帯という名高い宝物を自ら持参して源氏に贈り、その帯をつけさせようとし、左大臣が源氏に対して抱く親心が感じられる。左大臣は源氏の後姿を整え、まるで父親が息子を大切に世話するかのような姿勢で接しており、娘婿としての源氏への期待と喜びを感じており、表向きの礼儀と親心を交えつつ、源氏を高く評価しつつも、内心では複雑な感情を抱いている様子が描かれている。 その後、源氏は参賀のために東宮や一院、藤壺の三条の宮を訪れ、藤壺との再会においては、周囲の女房たちが源氏の美しさや優雅さを賞賛しているが、藤壺自身はその美しい姿を見るたび、心の中で複雑な感情を抱いていた。藤壺は、源氏との間に密かに子を成した罪悪感と、それに伴う世間からの噂に怯えていた。藤壺はその子を出産する時期が過ぎ、周囲の期待が高まる中で、彼女は身体的な不調を感じており、出産の遅れや病の原因をもののけの仕業とする噂が広がる。このような状況に、藤壺は非常に不安を感じ、出産をめぐり、自己責任の意識に苛まれる。その間、源氏も藤壺の苦しみを心配し、密かに藤壺のために寺院で修法を行わせ、彼女とその子供の無事を祈っている。源氏もまた、自らの関与が明るみに出るのではないかという不安を抱えていた。

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