Dog photography and Essay

2024/09/30(月)10:20

源氏物語〔7帖紅葉賀 13完〕

紫式部と源氏物語(184)

源氏物語〔7帖紅葉賀 13完〕 「Dog photography and Essay」では、 「愛犬もも」と「源氏物語7帖紅葉賀(もみじのが)の研鑽」を公開してます。 典侍(すけ)という女性が源氏に心を寄せようとする一方で、源氏は典侍を煩わしく感じていた。このように、源氏は時折、女性との関係を重荷に感じることがあり、彼の人間性の一端が垣間見えた。頭中将は、源氏とのやり取りを楽しみながらも、彼をからかうことに喜びを見出していた。源氏と頭中将の関係は単なる競争だけでなく、互いの弱さや恥ずかしい部分を共有しつつも、それを軽く受け流すことができる親密さが描かれている。特に、この一節では、二人が公の場で真面目な顔をしつつも、目が合った瞬間に笑ってしまう人間味あふれる場面が強調されている。 この章では政治的背景も描かれ、源氏や頭中将のような貴族たちが、単なる恋愛や友情の問題を超えて、帝位の継承や宮廷の権力闘争に巻き込まれている様子がうかがえる。藤壺の宮が中宮に擬されることや、帝の寵愛を受ける源氏の立場など、物語は単なる個人の感情の問題だけでなく、政治的な力関係が複雑に絡み合っている。この一節は、源氏と頭中将の微妙な友情、競争心、そしてそれに伴う軽いユーモアや感情の揺れ動きを巧みに描き出している。それと同時に、宮廷の権力構造や政治的背景も織り交ぜられ、物語に奥行きと緊張感を与えている。 紅葉賀では、光源氏が20歳の時、藤壺中宮に対する彼の秘めた恋心が物語の中心となり、宮廷での様々な出来事が描かれる。秋に宮中で催される紅葉を愛でる宴が舞台で、この場で源氏は優れた舞を披露し、その美しさと才気が称賛され、彼の存在感が一層際立つ。この時、源氏の舞を見た藤壺中宮は彼の美しさに胸を打たれ、源氏への想いをさらに深めるが、それを表に出すことができず、帝は源氏の才能を高く評価し、源氏の未来に大きな期待を寄せている。また、この巻では源氏と頭中将の友情が描かれ、彼らの親密な関係が強調されている。頭中将は源氏に対して深い信頼を寄せ、共に権力の世界を生き抜いていくことを誓う。宮廷の雅やかな日常が描かれる一方で、登場人物たちの秘められた感情や人間関係の葛藤が巧みに表現され、物語の核心に迫る重要な巻となっている。 明日より「8帖 花宴(はなのえん)」の研鑽を公開して行きます。

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