徒然草/二百二十九段/二百三十段/二百三十一段 切れ味の鈍い刃物
「器具を巧みに製作する職人」「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「徒然草の201から247」の研鑽を公開してます。二百二十九段の一小さな器具を巧みに製作する職人は、少し切れ味の鈍い刃物を使う。彫刻の名人の妙観の小刀はまったく切れないという。二百三十段の一五条の内裏には妖怪が住みついて、藤の大納言様(二条為世)が語るには、夜に黒戸で殿上人たちが碁を打っていると、簾を上げ覗く者がいる。誰だと覗く方を見ると、狐が突っ立って覗いていた。狐だと大声で騒がれ逃げていった。化ける技術が、未熟な狐が、化け損じたらしい。二百三十一段の一園の別当入道(24歳で出家した藤原基氏)は、比類のない料理人である。ある人の屋敷で立派な鯉がでてきた時に、みんなが別当入道の包丁捌きを、見たいと思ったが、名人にたやすく匠の技を求めるのはいかがなものかと、ためらう中、当の別当入道はさりげなく、最近、百日に渡り鯉をさばいており、今日だけ欠かせないので、その鯉を申し受けたいと言われ鯉を調理した。