2019.12.14

「枕草子(まくらのそうし)」を研鑽-99

(22)
カテゴリ:エッセイ
「袖で顔を隠して見ようとはしない」

「Dog photography and Essay」では、
「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。



頭中将(藤原斉信/ただのぶ)がいい加減な作り話を聞いて、私のことを
ひどくけなして、どうして一人前の人間だと思って誉めたのだろうと
殿上の間で酷い事をおっしゃっていると人から聞くだけでも恥ずかしい。



噂が事実ならともかく、嘘なのだから、自然と誤解を解いて下さるだろうと
笑っていたら、黒戸の前などを通る時にも、わたしの声などがする時には
頭中将は袖で顔を隠してまったく見ようとはしないで、ひどく憎まれる。



私はなんとも言わず、見ないようにして過ごしていたら、二月の末
ひどく雨が降って退屈な時に、宮中の物忌みで頭中将も退出できないで
宿直になって、やはり寂しくてならない。なにか言ってやろうかと
おっしゃっていたわよと、女房たちが話している。



そんなことはないでしょうなどと相手にしないで、一日中じぶんの
部屋にいて夜に参上したら、中宮様はすでに寝所にお入りになっていた。
女房たちは長押の下に灯りを引き寄せて、扁つき(遊戯)をしている。

扁つきとは平安貴族が漢字の偏と旁(つくり)を使っての文字遊戯で
主に女性や子供が漢字の知識を競うために行った遊びである。





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Last updated  2019.12.14 17:33:09
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