さすらいの法務マンぶらぶら日記

１年以上前の郵便（去年の５月消印）が，郵便局の転送用袋に入れられて転送されてきた。
引っ越し前に転送届けを出したにもかかわらず，転送されずに実家に郵便が届けられることが何度かあったが，今回のこれは転送を１年以上忘れていたのか？
頼むぜ郵政公社。

まぁ，たいしたものが入ってなかったからよかったとするが，本論はそんなことではない。
中に「最終督促通達書」ちう葉書が入っていたのだ。
そう，いわゆる「架空請求書」ちうやつ。

内容は，

この度ご通知いたしましたのは，貴方様が抱えております通信料金の未納金が債権発展いたしました。
これにともないまして，当社で債権譲渡を承りました。このまま現状放置されますと裁判所の許可の下，下記の手続に踏み切らせていただきます。
１　財産，給料差押手続
２　一年以下の懲役または１００万円以下の罰金

急速なご連絡いただけますようお願いいたします。
この通知は最終通告になります。
（中略）
（株）法明債権管理センター
（以下略）
というもので，現在も被害が収まりそうにない振り込め詐欺に比べると非常に牧歌的である。

法律文書らしく体裁を整えようとしてるが奇妙な表現がてんこ盛りである。
ちょっと見ただけで，

１　「債権発展」。債権とは発展するものなのか。
２　「裁判所の許可」。裁判所が民間のサービサーに何かを許可することはない。
３　「財産，給料差押手続」。債務名義も無しにこんなことできるのか。また，これらの手続は裁判所自体がするものであり，裁判所が民間のサービサーに許可して執行させるものではない。
４　「一年以下の懲役または１００万円以下の罰金」。お前は検察官か。
５　「（株）法明債権管理センター」。全くサービサーの名前らしくない。

と，突っ込みどころ満載なのだが，当時はこんなもんが横行していたのですね。
ちなみに，法務省のサイトから↓　許可を受けたサービサーです。

http://www.moj.go.jp/KANBOU/HOUSEI/chousa15.html