膝を手術して思い通りの騎乗ができるようになりました
生まれつき左膝の皿が割れており、有痛性二分膝蓋骨という病名で、10年くらい前からそこに付いている腱が固くなって痛みが伴うようになっていました。当初は痛み止めの注射などで凌いでいたのですが、年が経過するにつれて痛みの出る頻度も増して、それをかばうような姿勢が多くなって思っていた騎乗ができなくなっていました。昨年までは左膝の痛みを抱えたまま、引退まで騎乗していくものだと思っていました。ところが、昨年の8月はじめに右のアキレス腱を断裂してしまい、これの手術をしました。手術後は右足をかばいながら動いていたところ、左膝が触れないくらい痛みが出てしまい、当初は予定になかった左膝の手術もすることにしました。手術というのは、外側の腱をわざと切りっぱなしにして痛みを出ないようにするというものでした。両足とも順調に回復し、今年1月にはジョギングができるようになり、2月からは調教に復帰しました。騎乗の感覚が戻るまでにはちょっと時間がかかりましたが、左膝自体の痛みは解消されて、自分の乗りたかったような動きもできるようになって、疲れもそれほど出なくなりましたね。 開幕当初は若い子たちも良い馬を集めていて、食らいついていくので精一杯だったのですが、だんだん調子も上がってきて乗り馬も集まるようになり、勝ち星も増えてきましたね。今は人気薄の馬でも結果を出せているので、自分自身とても励みになります。アキレス腱の怪我をしていなければ、左膝の手術はしていませんでしたので、今は怪我をして本当に良かったと思っています。とても良い循環になっているので、今後は怪我をしないように気を付けないとですね。 JRAに参戦したタイムビヨンドですが、道営では走れているので、クラス的にもそれなりに良い競馬ができるだろうと思っていました。道中で砂を被ってフワフワしたので外々をまわってあの結果ですからね。1頭想定外の馬に勝たれてしまい、勝てれば一番良かったのですが、それでも頑張ってくれたと思います。道営の馬がJRAに挑む場合、芝なら合いさえすれば上位に入る馬も多いのですが、ダートで上位に入るのはかなり厳しいので、そういう意味でも良く走ってくれました。 今年の道営開催もあっという間に残り2ヶ月ですね。開幕の時はこんなに結果が出るとは思っていませんでしたが、通算2000勝を目標に勝ち星を積み重ねていきたいです。来年のワールドオールスタージョッキーズも、選考方法が今年と同じでしたら有利になると思うので、気を抜かずに頑張っていきたいです。