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碁法の谷の庵にて

碁法の谷の庵にて

2006年02月27日
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カテゴリ:その他雑考
 教えてくん。
 インターネットの世界で、自分では調べもしないで教えて教えてと聞いてくる人たちのことを俗称するようだ。
 2ちゃんねるでも「ぐぐれ」(googleで検索して調べろ)なんて教えてくん対応語が出来ている。


 私自身は元々教え魔でもあり、教えてくんとの間には奇妙な需要と供給が成り立っている。
 だからこのブログの冒頭にも「質問どうぞ」なんて書いてあるわけだ。
 実際問題、法律を勉強するのは大変なので、自分で調べないで「教えて」と言うことを必ずしも非難することはできない。


 ところが、法律の世界に足を踏み入れると、私でも辟易するだろうなあ・・・と言うような悪質教えてくんもいるようだ。私みたいな教え魔さんが辟易しているのを見たことが何度かある。


 悪質教えてくんはどういうのか、というと、だいたい以下のような段階を踏んでいく。

(1)
 まずは自分は法律は知りません、わかんないんです。とへりくだる
 私も含めて質問の内容を見れば大体どれくらい法律を知っている人かはわかるものだが、これ自体は別に何の問題もない。

(2)
 悪質教えてくんの最大の特徴はそうしたへりくだりと全くマッチしない攻撃性なのだ。まず、質問段階から毒がある。
「なぜこんな見解が支持されているのでしょうか?」「司法に正義はないのでしょうか?」「そんなバカな話があるのでしょうか?」
というように、質問の端々に否定的なニュアンスを含んでいる。
 それでも、こういうのに応対する人も多かれ少なかれ教え魔なので、最初のうちは丁寧に応対している。また、質問段階では毒があっても、説明を受けるとすっきりして、あるいはすっきりしなくともそんなもんなのかなあと言うことで引っ込む人も確かにいる

(3)
 だが、質問への回答を受けてやがて悪質教えてくんは本性を現しだす。
 彼らは回答に噛み付き始める。決して「補充の説明を求める」などと言うのではない。

「それはおかしい」「納得できません」「社会では通用しないと思います」「ハムラビ法典やモーセの十戒ではこうでした」

と言った具合で、せっかく出された回答に食い下がってくるのだ。しかもそういう食い下がりの内容はことごとくといっていいくらいポイントを外しまくっているのだから始末が悪い。 
 さらに、素人と言っていたはずなのにどこかで聞きかじったらしき法律の条文や裁判例を持ち出してくる人も。基本的な思考がなってないもんだから持ち出したところでやっぱりポイントがずれているのだが。

 何より彼らが悪質なのが、回答者が専門的な言葉も交えてちょっと難しい解説をすると、「もっと分かるように言ってください」と言うこと。で、教え魔氏に「少し勉強しては」と言われても全く悪びれもしない。悪質教えてくんの中にはそれどころか、判例や学者なんか信用しないとか、「読めというのはなし」などと開き直るのも多い。
 勉強する気もなく、ただ質問に答えてくれと言うのだ。ああいうしゃべりたくてたまらない教え魔さんたちが「勉強しては」と言うということは、もう彼は対応する気を失っているのだろうが、気づかないのか気づかぬ振りをしているのか、悪質教えてくんはしつこく質問を続ける。
 かといって、教え魔さんも少し頭にきているのかきびしい口調で解説をすると彼らは「私は素人ですから」「感情論です」と逃げる。

(4)
 で、最後には教え魔さんの方が嫌になってさようなら。悪質教えてくんの方から「結局疑問には答えてくれませんでした」みたいな捨て台詞が残される。ひどくなると「現行法がおかしいことは立証された」みたいにふんぞり返る人も。


 こういう過程を、私はウオッチしている掲示板で私は何度となく見ている。


 悪質教えてくんは、実に腹の立つ話術を使っている。
 彼らは、「教えてくん」の顔をしてその実は議論を吹っかけているのである。
 そして、自分が初心者であることを優位性の源にする。相手が難しくて自分には分からないことや、自分では反論できないようなことを言ったら途端に論客から子どもにはや代わり。「分からない」と嘘泣きして周囲にあたかも自分が弱者であるように見せたり、相手の振り上げた拳を止めたりするのだ。そして相手のアラを見たとたんに論客に戻って厳しい非難を吐くのである
 つまり、自分は非難も批判もされない立場に逃げ込み相手を一方的になじり倒すために、教えてくんに化けて近づくというのが彼らの常套手段と言うわけだ。


 意図的にそうしてくる連中は論外である。そんな人間は議論と言う「対等の土俵」に立つ資格のない者なのである。私など、そんな書き込みをする人間の投稿は容赦なくさらし者にする


 もう一つ、知らず知らずのうちにそうなっている人もいるかもしれない。
 法律系の事項については質問をすると言うのは「納得できない」と言う動機のもとに行われることが少なくないためだ。それが行き過ぎれば、知らず知らず「悪質教えてくん」ともなるだろう。

 個人的には、「知らない」と言うのは恥ずかしいことではないと思う。知らなきゃ何も語れませんと言うのでは困るのは確かだろう。
 でも、法律学の世界は極めて多岐に渡っている。基礎的な部分をマスターしている相手でないと、人を納得させることは難しいのだ。どんなにうまい説明の方法を用いてもである。
 理解できないのは説明が悪いからだとか思う人で囲碁がわかる人は、アタリの意味が分からない人にプロ棋士の着手の意味を隅々まで彼に得心が行くように、しかも1日以内で説明してみるとよい。



 もともとどんな分野でもそれなりのことを語り、理解するためにはそれなりの苦労がいる。
 その場限りの勉強と質問で全てを理解・納得させてほしいというのなど、ないものねだりと言われても仕方がない。

 「どうしても納得できない!!」を他人にぶつけるのではダメ。「よーし、納得してやろうじゃないの」と言う考えの元で質問し、学んでこそ実りがあるのだ。それが出来ないなら、自分で調べるのが大原則。それも嫌なら、もう他人には聞かないことである。
 教え魔さんはもちろん、他人は教えてくんの不満解消用サンドバッグなどではないのだから。






最終更新日  2006年02月27日 13時31分01秒
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