碁法の谷の庵にて

2006/04/05(水)19:34

十段戦第3局

囲碁~碁界一般編(196)

第44期十段戦挑戦手合第3局は、黒番・山下敬吾挑戦者の8目半勝ち。  予想に反して(?)山下棋聖あっという間にカド番に。ベテラン勢が大事に守ってきたトリデを守りきる見通しが立った・・・とはいってもそこは挑戦者山下だしなあ。いくら治勲先生頑張れといったとはいえ、3-0は悲しすぎるぞ。  さて、黒番の山下が左下をナダレから手をつけていかずに展開するのは最近よく見る形だが、11の位置(星下から二つずれている)での展開は珍しい気がする。普通星下か一つ右くらいだと思うけど。  左下は部分的に白悪くないとされるが、この形は黒が基本的に足が早くなる布石なので、白としても焦りは禁物。  下辺の一間タテトビは感じが出たこの一手と言う感じがする。これに対して左下にキリを入れた手はなんなのだろうか?どちらから取るかで様子見の意図なのだろうが、当然黒もそんな手に乗るわけにも行かず手を抜く。部分的には手抜いても白が重複気味で黒悪くないと思うのだが、あるいは黒が早いのであえて徹底的に腰を落として打つ気なのかもしれない。  黒は今度は上辺に展開。白が左側に受けたりするといっぺんに中央を塗られて黒模様が巨大化かつ荒らしにくくなるので白も中央に反発。ひとしきり揉み合ったがさすがに黒が厚い気がする。  白はまずここで右上に一発、更に右下にも味をつけて右辺全体の荒らしを決行。69手目までとなってさすがにこれはシノギないんじゃ・・・と思っても何せ白はあの趙治勲である。 すすすすっと逃げ出しに成功!  あれっ、でも上の3子もぎと言い、下辺のまとまりと言い、あちこちで黒が余得をしているような。1局目みたいにしのぐだけしのいで相手は一文も得しないというようなえげつなさがない。白の上辺も黒が削減に成功、さすがにこれは黒残ったんじゃないか・・・と思って計算してみる。すると予想外に細かい。中央白がもぎ取ったのが大きかったのかな?  ともあれヨセ勝負の気配。167手目の時点の見立てではほんのちょっと(半目か1目半くらい)黒厚いかな?と計算。スーパーザル計算がどれだけ的中したかな?  結果は黒の8目半勝ち。  やっぱりさすがに黒が厚かったみたい。私の計算もまだまだ正確ではないなあ。残念。  ましかし、棋戦としてはこうならなくてはおもしろくない。希望は3-2で治勲先生の防衛なんだけど、ともあれ4局目を楽しみに待つとしよう。  さて、8日は富士通杯。  今日の対局者2名と、張栩名人、高尾紳路本因坊、羽根直樹九段、山城宏九段、結城聡九段がそれぞれ出場。とりあえずベスト4は出してほしいかな。また2回戦全滅病が発病しないとよいのだが。  私も法科大学院の講義がいよいよ始まる。単位数自体は意外とそんなでもないが、死ぬほど予習をしないとまずそうなので、中継を食い入るように見てられるのはこの富士通杯の2回戦あたりまでかな。  11日から講義なので、10日をもって毎日更新は出来なくなるでしょう。もちろんここは残しておくし、棋戦とかがあるたびに更新したいと思っているけど。  まあ人生なんてそんなもんだ。むしろ、まだ楽をしている部類なのかもしれない。

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