碁法の谷の庵にて

2007/08/02(木)19:54

三星火災杯予選、

囲碁~碁界一般編(196)

 しばらくちょっと別世界にいました。  さて、本戦では韓国勢9、日本勢3、中国勢3がシードです。  日本棋士でシードは趙治勲、山下敬吾、河野臨。趙治勲優勝したのは事実だけど、いつまでシードでい続けているのでしょう?  ワイルドカードは未定らしいですが、誰でしょうか。台湾勢が誰もいないことから周俊勲ということも考えたのですが、小林光一九段とか馬暁春九段ではないか、という考え方もあるかも。   A山:枠抜けは睦鎮碩九段。 日本勢は早々討ち死に。王雷五段がまた予選だけで見せる強さを見せるかと思われましたが、復権著しい睦鎮碩九段に敗れました。また本命の一人、史上最年少九段となった陳耀華も敗れ去りました。睦鎮碩、いよいよ本格復権か。 B山:枠抜けは姜東潤六段。 こちらも日本の新初段は世界戦で初日を出すことなく敗れました。比較的小粒な山でしたが、全中国名人邱峻が韓国新鋭陳時映に敗れ、その陳を破った姜東潤と中国の新星古霊益の決勝。これを姜東潤が制して枠抜け。彼は結構枠抜けしますね。 C山:枠抜けは朴文尭五段。 仲邑はのっけから前LG杯ベスト4の強敵朴文尭にあえなく敗退、そして2回戦で朴文尭―元晟湊の重量対決を制した朴が順調に決勝進出して枠抜け。冨士田初段が1回戦を勝ったのは喜ばしいですね。まあ相手は新鋭強者というわけではないのだけど。 D山:枠抜けは許映皓六段。 日本勢が8人もいた山ですが、同士討ち2局を含めて決勝に至ることなく討ち死に。ベスト16経験者鶴山は比較的チャンスだったと思うのですが、金承俊は強いのでしょうがないのかな。決勝はその金承俊九段を韓国新人王許六段が破って枠抜けです。 E山:枠抜けは朴廷桓初段。 全く期待していなかった大矢浩一九段が開始早々中国の有望棋士張学斌を破り、さらにはこの棋戦で一昨年優勝した羅洗河九段を撃沈する大快挙。週刊碁に自慢話が載るのだろうか。しかし快進撃もそこまで。また新人王松本武久は韓国初段に敗れ去り、その韓国初段朴廷桓がそのまま枠抜け。 F山:枠抜けは黄翊祖七段。  日本勢がたくさんいる山でめぼしい棋士も乏しく(王昊洋、金志錫、世ドル兄の李相勲位)、日本勢絶好調で見事決勝までで日本勢代表を決めました。中野は星川・山田晋・望月と日本棋士にばかり勝ちましたが、黄翊祖に敗れ去ってLG杯に続いて決勝どまりとなりました。彼は劉昌赫とか劉星とかにも勝ってるし、かなり強いと思うんだけどな。 G山:枠抜けは李康六段。  井山が強敵李吉吉(吉吉で1文字)、温昭珍を撃破して波に乗っていましたが、中国のホウセン七段に取り押さえられてしまいました。個人的には安定感に難があるホウセン七段だが、だてに農心杯5連勝はしていませんね。どこかの国の本因坊経験者は1回戦で敗れ去り、決勝は中国対決。李康六段が制しました。あんまり聞かない名前だけど、結構強かったとは思うな。 H山:枠抜けは張維五段。  1回戦早々に王檄-蘇耀国という重量カードを蘇が見事勝利。さらに、韓国タイトルホルダー高根台が姜昌培アマに敗れるという波乱。姜アマを破った蘇と全世界アマ選手権者李康旭を倒した中国の張維で決勝。当然蘇が勝っていると思って帰ってみると撃沈されてました。そんなあ。 I山:枠抜けは黄奕中六段。  日本の切り札金秀俊は緒戦で強敵崔原踊を倒したのですが同じく日本の大場惇也にまさかの敗退。大場久々に上に行くかと思ったら前LG杯ベスト8王イク輝に討ち取られてしまいました。大場といい、秋山次郎といい、近頃の緑星組はぱっとしませんね。 他方、大本命周鶴洋がこれまた撃沈されてしまい、周を破った朴四段を破った黄奕中が決勝で王イク輝を倒して枠抜け。 J山:枠抜けは金起用三段。  日本の初段勢は手痛い洗礼を浴びた格好。新鋭強者として名を馳せながら最近ぱっとしなかった安祚永が内田初段を血祭りに上げた後中国7小竜を2竜破って決勝進出。対するはLG杯で胡耀宇を破って枠抜けした経験を持つ金起用。勝ったのは新鋭金起用でした。今度こそ上位進出なるでしょうか。 K山:枠抜けは洪性志五段。  玉井初段が前韓国農心杯代表金栄三七段を撃沈して準決勝に残る活躍を見せましたが、次が洪性志ではちょっと相手が悪かった。本命は中国の劉星かなと思ってましたが、彼は前韓国新人王金萬樹に敗れ去り、金―洪で決勝。勝ったのは洪。いずれもっと上がってくるかと思ってましたが。前回は今ひとつ。そろそろ上に上がってくるでしょうか。 L山:枠抜けは韓尚勲初段。  日本勢が全くいない山。枠抜け常連の洪民杓七段が1回戦で撃沈されたり中国の常緑樹ことユ斌も準決勝の前に撃沈されるなど本命がことごとく敗れた中、LG杯で古力に完勝してベスト8に残った怪物韓尚勲初段が決勝進出。対する趙鏡鎬も韓国初段。韓国初段怖っ。これを韓尚勲が勝ち、LGに続いての枠抜け。こいつは・・・。 M山:枠抜けは孔杰七段。  中国の精密機械、謝赫が緒戦で韓国初段に撃沈。だがそこに待ち構えていたのは前世界選手権物朴正祥を倒した孔杰。他方、反対の山では首藤が大奮戦。準決勝の相手金炯佑は去年この棋戦で王檄九段を撃沈した怪物ですが偉い。  ましかし決勝の相手が孔杰ではちょっと相手が悪かった。 N山:枠抜けは宋泰坤八段。  世界予選で全くの啼かず飛ばずだった「暴風」宋泰坤が復活。中国の鬱陶しい棋士を破って快調に枠抜けしました。 O山:枠抜けは金恵敏四段。  女流の主力がP山に流れたので謝依旻にもしかするとチャンスがないかと思ったのですが、やっぱりちょっと期待が甘かったかな。謝を破って枠抜けした金恵敏は地味にLG予選で三村智保を撃沈した経験を持つ実力者。 P山:枠抜けは趙恵蓮六段。  鈴木歩がゼイノイ九段を半目撃沈する快挙。田村千明も2回勝って駒を進めたが、そこでストップ。矢代は世界最強女流の一人朴誌恩に敗れました。田村を破った趙恵蓮(女李昌鎬の異名をとっていたような)と朴誌恩の決勝は趙の勝ちでした。  ふーん、日本勢は1人しか枠抜けしない状態で固定してしまった感じですな。

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